サッカー普及と次世代プレーヤー育成のための新プロジェクト「JFA Youth&Development Programme」がスタート

2015年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

年代や種別、分野の枠を取り除き、より大きな枠組みの中で活動していくことに

記者発表にはJFAの大仁邦彌会長のほか、プロジェクトのアンバサダーとパートナー企業の代表者が参加した。左から大儀見選手、ナイキジャパン高橋氏、ニチバン伊藤氏、大仁会長、明治の森田氏、モルテン民秋氏、北澤氏。

 日本サッカー協会(JFA)は22日、来年1月から導入される新規プロジェクト「JFA Youth&Development Programme」(JYD)」に関する記者発表会を行なった。
 
 「JYD」は、JFAが掲げる「JFA2005年宣言」の理念とビジョンに基づき、継続的な日本サッカー発展のために、ユース世代のみならず、大学、シニア、女子、フットサル、ビーチサッカーの、日本サッカーの基盤を支える重要な各領域において、さらなる普及や次世代選手の育成を促進することを目的に実施されるもの。指導者育成やトレセン、アカデミーといった技術関連事業も、この「JYD」に統括される。
 
 JFAはこれまで、それぞれの分野で個別に育成や強化、大会運営、普及活動を行なってきたが、今後は、年代や種別、分野の枠を取り除き、より大きな枠組みの中で活動していくことになる。まずは、各部の連携強化からスタートし、横断的、継続的なサポート体制を築いていくことが宣言された。
 
 JFA2005宣言では、2050年までの長期目標として、『サッカーファミリーが1000万人になること』と『FIFAワールドカップを日本で開催し、その大会で日本代表が優勝すること』を掲げている。しかし、環境整備、アンダー世代の育成・強化の問題、強豪国とした比較した女子競技人口の少なさ、年齢を追うごとに減少してしまうサッカー人口など、実現に向けての課題は少なくない。
 
 その解決策として「JYD」はどのような施策、活動をしていくのか、注目していきたいところだ。また2014年5月には、大仁会長の下で「JFAグラスルーツ宣言」が発表されている。この「JYD」が、「だれもが、いつでも、どこでも、サッカーを楽しめるようにするための活動」をさらに推進することへの期待もかかる。
 
 大仁会長は発表会の冒頭で、「このプログラムは、『日本代表強化』と車の両輪を成す非常に大事な事業であると考えています。サポートしてくださる企業の皆様と手を携え、サッカーの環境整備、各種大会の充実を図りながら、『JFA2005年宣言』に掲げる目標を実現させていきたい」とあいさつした。
 この日はプロジェクトにおけるサポート企業も発表され、それぞれの企業の代表者が出席した。
■JFA Youth & Development Official Partner:株式会社ナイキジャパン
高橋 オリバー/スポーツマーケティングディレクター
「このようなかたちで、全国各地に散らばるタレントの発掘、育成のプロジェクトに参画させてもらうことを、たいへん光栄に思います。他国のサッカー連盟やチームなど、われわれが築き上げてきたものを活かし、このプログラムを全面的にバックアップしていきたい」

■JFA Youth & Development Official Supporter:ニチバン株式会社
伊藤 暁/取締役執行役員メディカル事業本部長
「ニチバンに関わるすべての人々の幸せにする、というわれわれの理念の実現と2018年度に創業100周年を迎えることもあり、今回のプロジェクトに賛同して共に歩んでいこうと決めました。スポーツメディカルの分野で力強くサポートしていきたいと思っております」

■JFA Youth & Development Official Supporter:株式会社明治
森田 勉/常務執行役員栄養営業本部長
「さまざまな競技、トップアスリートの皆様へ、食事の指導やサプリメント摂取のアドバイスなど、栄養に関するサポート活動を行って参りました。その経験を活かし、サッカー競技の普及を栄養の面から支えることで、このプロジェクトに貢献して参りたいと思います」

■JFA Youth & Development Official Provider:株式会社モルテン
民秋 清史/代表取締役社長 最高経営責任者 
「モルテンの役割は15歳以下、70歳以上といった幅広い層が参加する各大会において、それぞれに要求される機能を兼ね備えたボールを13種類提供することになっています。日本のボールメーカーとしてこのようなプロジェクトに参加できることを感謝しています」
 
 同時にJYDアンバサダーとして、元サッカー日本代表の北澤豪氏と、現役なでしこJAPANの大儀見優季選手の就任が発表された。北澤氏は、「日本サッカーに大きな危機感と大きな可能性を感じていました。このプログラムなら、その危機感を回避し、可能性をさらに大きくすることができると確信しています」と話し、JYDの可能性に期待を寄せた。

 一方大儀見選手は、自らの経験から「ドイツでは他の競技の選手であっても、授業や趣味の一環として一度は経験するスポーツとして、サッカーが日常であり文化となっています。日本サッカーも数年前に比べ環境は整いつつありますが、さらなる発展と普及を目指し、このプロジェクトに貢献できるよう頑張りたいです」と抱負を語った。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中