「残念な結果」家本元審判員が札幌の“ゴラッソ取り消し”に見解。30秒さかのぼってハンド判定となったのは「確証性がなかったから」

2023年04月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

札幌のゴール取り消しで、福岡のPKに

元国際審判員の家本氏が、札幌のゴール取り消しについて持論を展開した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは4月23日、J1第9節の札幌対福岡(2-2)を開催。この試合のゴラッソが取り消されたシーンがDAZNの配信番組『Jリーグ ジャッジリプレイ』で取り上げられ、出演した元国際審判員の家本政明氏が見解を述べた。

 2-1で札幌が1点リードして迎えた53分、札幌がボールを奪った流れから、浅野雄也がハーフウェーライン付近でロングシュートを放つと、これがGKの頭上を越えてネットを揺らした。

 しかし、浅野のゴールが生まれる約30秒前、福岡が敵陣に攻め込んだ場面で、ペナルティエリア内で札幌の青木亮太にハンドがあったとして、VARが介入。主審がオンフィールドレビューを行なった結果、ハンドの判定に。浅野の得点は取り消され、青木のハンドで福岡にPKが与えられ、これをルキアンが沈めた。

 家本氏は、青木のハンドについて、「映像のアングルだと、(手に)当たっている印象を強く持ちます。ペナルティエリアの中であれだけ手を大きく動かしているのは、ハンドと解釈されるリスクを負っている、ということがこういう判断に繋がっている」とした。
 
 また、およそ30秒前のプレーにさかのぼって判定が覆った点には、VARが主審に助言できる4項目を『得点かどうか』『PKかどうか』『退場かどうか』『警告退場の人間違い』であると説明したうえで、次のように分析した。

「この場合、福岡にポッシブル・ペナルティ(PKの可能性がある)が生まれた。なので、VARはタグをつけて、確認にいく。主審はたぶん、アングル的にこれ(ハンド)を見極めるのは不可能。副審も確証性が持てず、ハンドと言い切れないという状態にいたので、現場ではその場でハンドだと判断しなかったのだと思う。

 VARもすぐにレフェリーにゲームストップを言い切れなかったのは、そのハンドの確証性がなかったから。結果的に素晴らしいシュートがゴールと認められなかったのは残念な結果ですが、そもそもその前のポッシブル・ペナルティをVARが確認している間に時間が経ってしまったのでしょう」

 家本氏はルール上、判定がさかのぼる時間に明確な制限はないと言う。ただ、「もちろん選手とサポーターにとってもという意味でも、できるだけ手短にというのはレフェリー側も気を付けています」と自身の経験を交えて語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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