欧州の舞台でイタリアのカルチョは輝きを取り戻すか?2006‐07シーズンのミラン以来となるCL優勝を目指しセリエA勢が直接対決!

2023年04月11日 PR

躍進のナポリ、好調のミランがベスト4をかけて激突!

ナポリの独走を支えるオシメーン、輝きを取り戻したミランのレオン、エース兼キャプテンとしてチームを支えるラウタロ

 4月12日(日本時間)にチャンピオンズリーグ準々決勝が行なわれる。長く欧州の舞台から遠ざかっていたミラン、初の決勝トーナメント進出で快進撃を続けるナポリ、2010‐11シーズン以来のベスト8となるインテルとセリエAの3チームが勝ち上がったことに驚きを覚えたファンも多いはずだ。

 ベスト4をかけた準々決勝ではミランとナポリによる同国対決、インテルはベンフィカとの対決。続く準決勝ではこの4チームの勝者による対戦になるため、インテルがベンフィカに勝った時点でセリエA勢の決勝進出が確定するという状況だ。

 直近のリーグ戦で不振が続くインテルはシモーネ・インザーギ監督の去就も含めて、ベンフィカとの試合が今シーズンの正念場となるだろう。

 注目の同国対決だが、ナポリはリーグ優勝にむけて独走中でCLに戦力を集中できる状況だ。一方のミランは年明けの不振で順位を落としたことでCL出場権獲得のためにリーグ戦でも負けられない試合が続く。

 リーグだけでなくCLの舞台でも猛威を振るっているヴィクター・オシメーンとクビチャ・クバラツケリアのコンビを擁するナポリが有利とみる声が多いが、直近で行なわれたセリエA第28節のミラン戦ではエースのオシメーンが怪我により欠場、ミランに4-0と完敗したことで予想が難しくなってきた。

 ミランはこれまでオリビエ・ジルー頼りだった攻撃面でラファエウ・レオン、ブラヒム・ディアスが本来の輝きを取り戻し、崩壊気味だった守備面も守護神マイク・メニャンの復帰により目に見えて改善した。
 
 セリエAのチームが最後に決勝に進出したのは2016-17シーズンのユベントス、優勝になると2006‐07シーズンに2年前の決勝でまさかの逆転負けを喫したリバプールへのリベンジを果たしたミランまでさかのぼることになる。 

 今回は長く主役の座を明け渡してきたセリエA勢にとって欧州での復権を示す大きなチャンスとなるはずだ。ファンにとっても久しぶりの嬉しいニュースに胸を躍らせているだろう。
 
 ナポリのルチャーノ・スパレッティ監督はミランとの対戦を楽観視するメディアに対して「ミランは過去にCLで偉大な結果を残しているチーム。この舞台での経験値から考えれば本命とも言える。マルディーニが現役時代には5回も優勝しているからね」と警戒を見せた。

 スポーツディレクターとしてミランに帰還したパオロ・マルディーニは現役時代にCL決勝出場8度(歴代最多タイ)、決勝出場最年長記録を持っており、たしかにスパレッティ監督が警戒するだけの運命的なものがあるのではないかと期待してしまう。

 マルディーニ自身はチームがベスト8進出を決めた際に「黄金期のときに感じた興奮が蘇った」と喜びを表した一方で「我々はまだベスト8に定着したとはまったく思わないが、戦い抜くつもりだ。優勝候補であるバイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティ、レアル・マドリーと同じレベルには至っていない」と浮足立つことはなかった。

 マルディーニが言うようにまだセリエA勢と欧州トップクラブとの戦力差は大きいが、長い間、欧州制覇という夢を見ることもできなかったイタリアのカルチョ界にとっては喜ばしい偉業になった。

 セリエAのチームとして最後に優勝したミランの選手としてビックイヤーを掲げたマルディーニが今度は違う立場で再びビックイヤーを掲げる、そんなドラマチックな展開があるのかもしれない。
 
 そのマルディーニだが、カルチョへの情熱を別の形でも表現している。

次ページピッチ外でマルディーニが表現するカルチョへの情熱

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