なでしこリーグ開幕戦で日体大SMG横浜が4-1の快勝劇!「今後に向けて自信になる」昨季と対照的な好発進

2023年03月19日 西森彰

連動した守備から攻撃では流れるようなパスワーク

なでしこリーグの今季ファーストゴールを挙げた金子(写真中央)。S日体大が開幕白星発進を飾った。写真:西森彰

「サッカーと幸せになる」とのビジョンを掲げるアマチュア最高峰の戦い、なでしこリーグ。3月18日の正午、日体大SMG横浜対愛媛FCレディースで、2023年シーズンの火ぶたが切られた。

 昨季の対戦ではS日体大が2勝、一昨季は愛媛Lが2勝で、直近の4戦のうち1点差の試合が3戦と好勝負が繰り広げられてきた。

 S日体大の大槻茂久監督は「これまでは愛媛レディースに主導権を握られたなかで勝ったり負けたりが続いていた。『今日の試合は、こちらが守備で主導権を握ろう』と。前線3枚は走れる選手が揃っているので、相手が思うようなサッカーをできないようにやりたかった」と語った。

 愛媛Lには、WEリーグのサンフレッチェ広島レジーナから補強された久保田晴香、16歳のFW田子夏海らがおり、余裕を持ってフィード、パスワークを許せばペースを奪われる。S日体大は、高いビルドアップ能力に定評がある相手に対し、積極的な前線からの守備を試み、雨で滑りやすいピッチ条件のなかで、連動したプレスを仕掛けていった。

 そして9分、自陣でボールを奪うと、流れるようなパスワークで前へ運ぶ。最後は藤枝順心高出身の窓岩日菜からのパスを、同校出身の先輩・金子麻優が決めて、なでしこリーグの今シーズン初ゴールが生まれた。

 今季の目標に二桁得点を掲げる金子は「(二桁得点は)難しいけれど、1点ずつ決めることで見えてくる。今日はチームにも勢いを与えられてよかった。走り負けないという部分は、以前から強く意識していて、相手に負けないというだけでなく、チームの中でも一番走る選手と思われたい」と述べた。
 
 これで波に乗ったS日体大は、27分、渡部麗が上げたボールを、ゴール前に潜り込んだ森田美紗希がタッチし、追加点を決める。もともと年代別代表にも選ばれていた好素材、森田には指揮官も「攻守の切り替えを含めて、総合的に高いレベル」とポテンシャルに期待を寄せる。接触プレーの後遺症でピッチから遠ざかり、復帰を目ざして半年以上の長い時間を耐えてきたが、復帰戦では前線でボールを追い、中盤に下りてバランスをとるなど、多くのタスクをこなした。

 森田はインカレにも出場できず、もどかしさが募るなか、支えてくれた家族、そして周囲の人間への感謝を口にする。

「ピッチを離れている時期に、いろんな人に声をかけてもらった。昨日、検査を受けて、ドクターから出場許可をもらった帰り道で、いろいろ思い出すことが多くて、ちょっと泣きそうになったんですけれど『今じゃないな』と思って……」と語った背番号10は、「泣く時は、うれし泣きがしたいです」と続けた。

 32分に、指揮官が成長スピードを評価していた窓岩がゴール。36分にはオウンゴールと加点したS日体大は、ハーフタイムをはさんで立て直した愛媛Lの反撃を平塚万貴の1点に抑え切る。

 強い雨のなか、神奈川県立保土ケ谷公園サッカー場へ足を運んだファン、在校生、チームスポンサーの前で、4-1の快勝劇を演じた。

 昨季は9勝(7位)のS日体大だが、第9節で初勝利を挙げるまで8戦(第6節は順延)を要した。今季は対戦相手の長所を封じながら、大量得点を重ね、昨シーズンと対照的な好発進だ。

「大きな特徴を持っている愛媛レディースを相手に、こういう内容のサッカーができたのは、今後に向けて自信になる」(大槻監督)

 次節は、バニーズ群馬FCホワイトスターとのアウェーゲームに臨む。

取材・文●西森彰(フリーライター)

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