【日本アンプティサッカー選手権】日本一の座を奪い返したのはF.C.九州バイラオール

2015年11月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

決勝はスタンドから多くの観客が選手に声援を送った

準決勝第1試合、エンヒッキ・松茂良・ジアス選手の活躍もあり、川崎がまず決勝に名乗りを挙げた。

 11月23日祝日の月曜日、富士通スタジアム川崎(神奈川県川崎市)では、「第5回全日本アンプティサッカー選手権大会」の2日目が行なわれた。この日は前日のリーグ戦の順位によって、それぞれ準決勝、決勝、そして順位決定戦が行なわれた。
 
 準決勝第1試合では、まず連覇を狙うFCアウボラーダ川崎(以下川崎)が4-0の快勝でTSA FCを下し、決勝進出を決める。10番のエンヒッキ・松茂良・ジアス選手の右サイドをえぐってからの先制ゴールが相手の必要以上の警戒を呼び、以降の3点の呼び水となっていた。
 
 一方F.C.九州バイラオール(九州)と関西セッチエストレーラス(関西)の準決勝第2試合は接戦に。結局前半に奪った先制ゴールを最後まで守り切った九州が決勝進出を決める。しっかりパスをまわして組織的に攻める関西にもチャンスは何度が訪れたが、決めきることができなかった。
 
 迎えた決勝は、2013年、14年の選手権決勝同様、川崎と九州の一騎打ちとなった。5月に行なわれたカップ戦でも両チームは決勝で戦っており、その時は4-1で川崎が勝利していた。しかし、序盤から川崎ゴールを九州が脅かす。再三のチャンスをキーパーがしのぎ、フリーキックがバーを直撃する場面もあった。
 
 それでも前半はスコアレスドローに終わり、勝負は後半に。そして開始5分、CKからの折り返しをきれいにゴールに流し込んだのは、九州の星川誠選手だった。その後、決してチャンスがなかったわけではない川崎だったが、終始試合を優位に進めていたのは九州に見えた。ゴールキーパーからの正確なフィードをうまくつかい、冷静にチャンスをうかがうしたたかさを感じる試合運びで、試合は0-1のまま終了。九州は2013年以来の選手権の栄冠を手にした。
 
 試合後、日本アンプティサッカー協会最高顧問のセルジオ越後氏が述べていたように、選手たちのレベルは上がり、よりサッカーの質も上がっていることは間違いない。決勝はスタンドから多くの観客が選手に声援を送り、接戦を盛り上げた。記者はほぼ初見に近い状態で数試合を観戦したが、アンプティサッカーをロフストランドクラッチ(専用の松葉杖)を使うサッカーと考えると、普通のサッカーではありえないようなアクロバティックな技もできそうで、レベル向上が非常に楽しみな競技であることは間違いない。今後の競技プレーヤーの進化に大いに期待したい。
 
【日本選手権結果】
●準決勝第1試合
アウボラーダ川崎 4 – 0 TSA FC
得点者/エンヒッキ、岩崎、西条 × 2
●準決勝第2試合
FC九州バイラオール 1 – 0 関西セッチエストレーラス
得点者/萱島
●5位決定戦
Asil bee 千葉・北海道 3 – 0 A-pfeile広島AFC 
得点者/古城 × 2、板倉
●3位決定戦
関西セッチエストレーラス 3 – 1 TSA FC
得点者/関西=川西、川合、鎌田 TSA=武藤
●決勝
アウボラーダ川崎 0 – 1 FC九州バイラオール
得点者/星川
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事