「特にスタジアムでは分からない」野々村チェアマンが「VARdict」導入理由を語る!「世界的に足りていない」と指摘した問題は?

2023年02月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

チェアマンは昨年から導入を希望

今季からJ1とルヴァン杯プライムステージで新たに「VARdict」を導入。先日の富士フイルム杯でさっそくお披露目された。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグの公式YouTubeが2月16日、野々村芳和チェアマンがJリーグの今をお届けするトーク番組『ののチャンネル』の最新コンテンツを投稿。VARの新サービス「VARdict」導入の背景などについて語った。

「VARdict」とは、VARが入った時に何をチェックしているのかが観戦者に開示されるサービスで、今シーズンからJ1とルヴァンカップのプライムステージで導入される。名称は、VARと日本語で"評決"の意味がある英単語である"verdict"から来ている。

 従来は、VARのチェック中という点のみ伝えられていたが、「VARdict」によって、得点か退場、PK、ファウルの人違いなど、どれを確認しているかが分かるようになる。さらに、「オフサイドの可能性」などのチェック内容も明らかになり、VARによって判定がジャッジ通りだったか、覆ったかも表示される。

 昨年から導入を希望していたという野々村チェアマンは、その理由をこう語る。

「テレビで見ている人のほうが、情報量が多かったりする。実況と解説がいたり、リプレーが頻繁に流れたりするから。話し手の情報と映像で想像できたりすると思うけど、特にスタジアムでは分からない」
 
 一方で、「VARdict」導入に課題もある。運用について自動連係とアナログ連係があり、アナログ連係だと回線設備の状態からトランシーバーでのやり取りとなり、複雑な事項の伝達が難しいため、細かい情報が開示できないケースがあるという。

 2月9日時点で埼玉スタジアム2002と浦和駒場スタジアム、サンガスタジアム by KYOCERA、パナソニックスタジアム吹田、エディオンスタジアム広島はアナログ連係で、ニッパツ三ツ沢競技場は確認中となっている。

 また、野々村チェアマンは、VARをサポートする「VARオペレーター」の人材不足についても言及。審判の会話が分かる程度のサッカーへの理解が求められるが、そういった技術者が不足しており、「日本だけの問題ではない。世界的に、少し人数が足りていない」と分析。現状を踏まえて、J2やJ3でも資金的な問題がクリアできてもVAR導入に懸念を示した。

 30周年を迎えたJリーグは、2月17日の川崎フロンターレ対横浜F・マリノスの"金J"で開幕する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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