【セルジオ越後】三笘が目ざすべきは“打倒ソン・フンミン”だよ。プレミアで4位以内のチームへのステップアップに期待

2023年01月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

まだ4ゴール。もっと伸びてほしいから発破をかけておかないと

直近7試合で4得点を挙げるなど、プレミアリーグで躍動する三笘。(C)Getty Images

 海外組の中でも、最近はプレミアリーグで活躍する三笘の存在感が大きい。フロンターレでやっていたプレーをそのまま出して、やっと結果も出てきた。強豪クラブを相手にも点を取っているから、そこは見事だね。

 プレミアリーグの直近7試合で4得点と、結果を出している。でも、まだ4ゴールだよ。もっと伸びてほしいからこそ、発破をかけておかないとね。マンチェスター・シティのハーランドは25点も決めているのだから、それに比べたら全然話にならない。

 ブライトンに移籍してから新しいリーグに慣れるのには少し時間はかかったけど、コンスタントに先発でプレーできるようになったし、この調子をこれからも続けていくことが大事だよ。

 前節のレスター戦でも、カットインから綺麗なゴールを決めていた。フロンターレの時もあのような形から、何度も得点を挙げていて、ユニホームが変わっても自分の本来のプレーができるのは素晴らしい。

 ただ、レスター戦は2-2の引き分けに終わった。チームとして勝てていないのに、個人の報道で騒ぎすぎるのもどうかと思う。
 
 個人的な考えでは、三笘がまず目ざすべきはトッテナムのソン・フンミン。ケインとかを目標にするより、アジア人を目標にするほうが分かりやすいんじゃないかな。一番、日本に近い民族であるし、良いライバル。ソン・フンミンとは身体つきも違うし、三笘が持っていないものを多く持っている選手だからね。打倒ソン・フンミンだよ。

 多くのチームが三笘に興味を示していると報道されているけど、三笘のプレースタイルなら、どのチームでも合うんじゃないかな。

 例えばレアル・マドリ―のヴィニシウスもドリブラーで得点能力が高い。そういう打開力のある選手をビッグクラブは求めている。ただパスができるだけのウイングの選手は、大きなクラブであまりレギュラーになってない。そのうえでやはり大事なのは、分かりやすい得点力だよね。

 三笘にはその素質があると思うので、結果を出し続けて、プレミアリーグで常に4位以内に入るチームにステップアップして、さらに成長してほしい。今後も子どもたちの憧れの存在として、日本のサッカー人口を増やす活躍に期待したい。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

【PHOTO】三笘の1ミリ、メッシ涙の大会初制覇、ボノ連続PKストップ…カタール・ワールドカップの名場面を厳選ショットで紹介!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事