「入学式も修学旅行もできず…」東山指揮官がコロナに翻弄され続けた3年生を思い、涙「こういう中だからこそ絆が深まった代」【選手権】

2023年01月10日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「負けたことに関しては監督の責任」

C大阪内定の阪田(10番)らを擁する東山は、同校史上最高の成績を収めた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権決勝] 岡山学芸館1-3東山/1月9日(月)/国立競技場

 初優勝まではあと一歩届かなかった。

 東山は岡山学芸館との決勝で、前半25分にオウンゴールで先制点を許した後、同44分にMF真田蓮司(3年)の強烈なシュートで追いつくも、後半に痛恨の2失点。1-3で競り負け、高校王者の称号は、同じく2年連続5回目の出場だった岡山の雄に譲った。

 ただ敗れはしたが、最後まで決して諦めない、粘り強いプレーは胸を打つものがあった。福重良一監督も「負けたことに関しては監督の責任。彼らは日本一を目ざして1試合1試合、全力で戦ってくれましたし、今日も必死に自分たちの力を出そうとやってくれたと思っています」と、誇り高き選手たちを称えた。

 また、指揮官は涙ながらに、高校生活の全てをコロナと共に過ごすことを余儀なくされた3年生の心情を慮る場面も。言葉を詰まらせながら、必死に思いを紡いだ。
 
「今年の高校3年生はコロナ禍で、サッカーに限らず、十分な高校生活ができませんでした。入学式もできず、学校活動も修学旅行も全くできないなか、高校サッカー最後の大会を実施してくださったことに本当に感謝しています。

 そのなかで我々は今日、決勝戦をさせて頂いたのですが、やっぱり負けたイコール力が足りなかった、内容もあんまり良くなかったということがあります。ただ、彼らは本当に1試合1試合を通して成長してくれましたし、本当に高校生活最後の思い出じゃないですけども、しっかりと胸を張ってやってくれたと思います」

 一方で、そんな逆境を乗り越えてきたからこそ、結束力は桁違いに高まったようだ。

「こういうコロナ禍の中だからこそ逆に横のつながり、絆が深まっていた代だと思います。それをこうあえて彼らは、新谷陸斗キャプテンを中心にやってくれました。そこが強みになっていったのかなとは思います」

 東山史上、最高成績を収めた勇者たちは堂々と胸を張って、聖地国立を去る。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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