「日本代表より上手いんじゃないか?」記者陣も衝撃!岡山学芸館の言動で「PKは運じゃない」と確信した【選手権】

2023年01月08日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

あまりの上手さに会場がどよめく

PK戦を制し、歓喜の花を咲かせる岡山学芸館の選手たち。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権準決勝] 岡山学芸館(岡山) 3(4PK1)3 神村学園(鹿児島)/1月7日(土)/国立競技場

 互いに3点ずつ奪い合う、まるでカタール・ワールドカップ決勝のような超白熱の一戦は、PK戦で決着した。3人中2人が失敗した神村学園に対し、力強いキックで4人全員が成功させた岡山学芸館が決勝に駒を進めたのだ。

 タイムアップを迎え、インタビューエリアのある地下に向かおうとエレベーターに乗り込むと、記者たちから興奮の声が聞こえてきた。

「PKめちゃくちゃ上手いな」
「日本代表より上手いんじゃないか?」
「相当特訓してるんだろうな」
「俺、感動しちゃったよ」

 正直、自分も全く同じことを思っていた。岡山学芸館の選手たちが最後に見せた姿は、クロアチアにPK戦で敗れた日本代表よりも、明らかに堂々としていたなと。それほどまでに見事なキックだった。

 まず1人目で登場したMF岡本温叶(3年)は、ド真ん中にシュート。これだけでも十分な強心臓ぶりだが、決めた本人は「蹴る前に相手のキーパーに『どっちに蹴る?』みたいなことを言われて、自分は真ん中に蹴ると言いました。(嘘をつこうかは)迷わなかったです」と、衝撃のエピソードを披露した。

 その後の3人は揃って左上に一閃。改めて映像を確認してみると、解説を務めた稀代のゴールゲッター大久保嘉人氏も「中々あのコースに蹴ろうとは思わない。それだけPKの練習をしてきているのかもしれない」と唸る、GKはノーチャンスのコースだった。あまりの完璧さに、会場ではどよめきが起こったほどだ。
 
 やはり努力の賜物なのだろうか。高原良明監督に質問をぶつけてみると、こんな答えが返ってきた。

「県予選からも毎試合、1週間の中で試合の前日以外は大体毎日蹴らせて、PKになっても自分が思ったところにとにかく強いボールを蹴れるようにという練習は反復してきました。あとはゴールキーパーの平塚(仁)がしっかりと止めるというところで。後悔のないようにしっかりと蹴り込みなさいという、それだけですね。

 運というところもあると思うのですが、やっぱり積み重ねてきた結果が多少なりとも表われると思っていますので。日頃のトレーニングの中から蹴り込んできた結果が、結びついているんじゃないかなというふうには思いますね」

 また、岡本も「PK戦になったら勝てるというような自信はありました」と、力強い言葉を残している。

「練習でも何回もチームでPKをやってきて、先生からも『自分が決めたコースに思い切って蹴ろ』とは常に言われているので自信はありました。大舞台でも自分の技術をしっかり出せるというメンタリティが本当に大事だと思うので、そこは自分たちは常に練習で意識していました」

 PKは運じゃない――。クロアチア戦後に話題になったこの言葉は、紛れもなく事実だ。高校サッカーを通じて、そう確信した。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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