生きていくために――“両利き”となった岡山学芸館MF岡本温叶が衝撃ゴラッソ!PKでは「真ん中に蹴る」と相手GKに堂々宣告【選手権】

2023年01月07日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「『どっちに蹴る?』みたいなことを言われて…」

値千金の同点弾を叩き込み、雄叫びを上げる岡本(8番)。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権準決勝] 岡山学芸館(岡山) 3(4PK1)3 神村学園(鹿児島)/1月7日(土)/国立競技場

 1月7日に開催された高校サッカー選手権の準決勝で、岡山学芸館は神村学園と対戦。1-2と逆転されながら追いついた直後の後半24分に再び勝ち越されるも、その4分後だった。

 MF岡本温叶(3年)はゴール前の右サイドでパスを受けると、3タッチで中央へ持ち込み、左足を豪快に一閃。GKの手が届かないゴール左隅に叩き込み、鮮やかにネットを揺らした。

 背番号8の値千金弾で勢いに乗った岡山学芸館は、そのまま3―3でもつれ込んだPK戦で、見事4人全員がキックを成功させ、初の決勝進出を果たした。

 試合後、元々は右利きながら、猛特訓を経て今では両利きと言えるまでに成長した岡本は、自身のゴラッソを手応え十分にこう振り返った。

「あそこからのシュートは練習から何100本も蹴ってきて、自信になっていました。でも試合ではあんまりできていなくて、本当に決めたいという気持ちが強かったので、あそこから決められて良かったです。思い切って打てました。

 シュートもクロスも右足と同じように蹴れるように、ひたすら練習して何本も何本も蹴ってきて今のところまでいけているのかなと思います。中学校に入って2年目くらいには(左足でも)蹴れるという自信はあって、高校に入ってからも突き詰めて、今では左のシュートのほうが自信があるんじゃないかなと思います。

 自分は足が速くなくてやっぱりこの先、生きていくなら両足蹴れて本当に精度の高さを武器にしないといけないと思っていたので、そこは常に意識して練習していました」
【動画】エリア外から左足を一閃!岡山学芸館を決勝進出に導く岡本温叶の衝撃ゴラッソ
 1人目のキッカーとして登場したPK戦では、ど真ん中に蹴り込む強心臓ぶりを見せつけた。キック直前には相手守護神とある駆け引きを繰り広げていたようだ。

「蹴る前に相手のキーパーに『どっちに蹴る?』みたいなことを言われて、自分は真ん中に蹴ると言いました。(嘘をつこうかは)迷わなかったです。メンタルはそんなに弱いとは思っていなくて。今まで長い時間練習をしてきたので、そこは自信になっています。やるだけです」

 憧れの選手に挙げる中村俊輔氏の桐光学園時代同様、たゆまぬ努力で選手権のヒーローとなった岡本。聖地国立でもう1勝挙げ、中村氏はあと一歩届かなかった全国制覇まで辿り着けるか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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