「48チーム制でドラマと興奮はなくなる」有名紙記者がW杯新フォーマットを猛批判!「E組の非常に緊迫した展開こそ醍醐味」

2022年12月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「日本がドイツを突き落としたグループEの結末は、説得力がある」

ドイツ、スペインを破り、日本は世界中に衝撃を与えた。(C)Getty Images

 有名紙記者が、全貌の見えない新フォーマット、ひいてはその発案者FIFA(国際サッカー連盟)を猛批判している。

 連日熱戦が繰り広げられているカタール・ワールドカップ(W杯)。今大会のグループステージでの特徴として言えるのが、番狂わせだ。サウジアラビアがアルゼンチンを、韓国がポルトガルを破り、カメルーンがブラジルを下せば、日本に関してはドイツ、スペインと欧州屈指の強豪を連破。"死の組"と称されたE組をなんと首位で通過した。

 世界中に衝撃を与え、大いに盛り上がりを見せたが、次回の北米大会からはこうしたドラマが激減する可能性がある。出場国が現行の32から48か国に増え、グループステージの方式も大幅に変化するからだ。

 英紙『Daily Mail』の記者、イアン・レディマン氏は危機感を露わにしており、「ドラマと興奮に満ちたW杯は48チーム制になり、台無しにするだろう」と題した記事を掲載。快進撃を続ける森保ジャパンを例に出し、「日本がドイツを突き落としたグループEの結末は、説得力がある」と訴えている。
 
「グループEの非常に緊迫した展開を見ていると、W杯サッカーの醍醐味を知る。ハーフタイム時点で、ドイツはコスタリカを、スペインは日本をリードしており、ヨーロッパの大国はともに死の組から勝ち進んでいたのだ。残り20分でともにビハインドとなり、このままでは敗退という状況に。ただ結局ドイツが勝利を収めたため、スペインが勝ち進んだが、自分たちは勝ち進めなかった。

 我々がW杯をはじめとするビッグトーナメントを見る理由のひとつは、ここにある。4か国の運命が激しく揺れ動く、サッカーだけが人生における重要なことのように思える、あのようなドラマチックな夜に立ち会うためだ。4年後のアメリカではこのような展開は起こらないだろう。FIFAの英断により、2026年のW杯は48チーム制になった。

 どのような方式になるかも全く分からない。当初は3チームずつのグループを16作り、各組2チームの勝ち上がりと見られていた。しかし現在では、4チーム構成の12グループで、上位2チームと3位のベスト8チームの通過が考えられている。これで先週木曜のような夜が訪れる可能性が下がるのは確かだ。2026年方式では、ドイツは3位で次に進むか、少なくとも全グループが終了する時点で自分たちの運命が判明するのを待つことになる」

 レディマン氏はそのうえで「スポーツよりも金に価値を置いているかのようだ」と、FIFAをバッサリ切り捨てた。

「なんとも不思議な話だ。新たに16チームを押し込めば、試合数が増え、スポンサーも増え、テレビ放映料も増えるという理由で、あの陰謀とドラマと素晴らしい興奮を全て取り去ってしまうのだ。世界のゲームの守護者として、そんな行為はありえないだろう?」

 競争力低下が顕著となるリスクが十二分にある一方で、参加枠拡大で新勢力が旋風を巻き起こす可能性もある。FIFAの下した決断は吉と出るのか、凶と出るのか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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