3得点すべてに絡んだ横浜の水沼宏太。昨季は先発1試合だった男が捲土重来「あきらめずにやってきて良かった」

2022年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

残留は覚悟の表われ。背番号のネームは『MIZUNUMA』に

優勝を決める大一番で全3得点に絡んだ水沼。試合後は目に光るものも。「優勝ってこういうことなんだなって。それが涙になってしまった」。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第34節]神戸 1-3 横浜/11月5日/ノエビアスタジアム神戸

 優勝の瞬間はベンチで迎えた。アディショナルタイム5分を過ぎて試合が終わると、一目散にピッチ上へ。

 歓喜の輪が解けた直後、横浜の水沼宏太の目に光るものがあった。

「安心感も大きかった。(終盤に)2連敗したことで一緒に戦ってくださる方を不安にさせてしまった。みなさんに優勝を届けられた安心感があるし、優勝ってこういうことなんだなって。それが涙になってしまったのかな」

 優勝を決めた神戸戦では3得点すべてに絡む活躍。出色の出来で2022シーズンを締めくくった。

「試合が終わってみて、そういえば全部の得点に絡んでいたなと思った。集中しすぎて、試合にのめり込みすぎて、あまり記憶がないくらいの感じだった。アシストしたし、最初の点もクロスからで、2点目もFKからだった。

 勝つためにプレーしたいと思っていて、それは得点じゃなくても仲間を助けるプレーでもいい。今日は得点に関わることができて、それがこの試合でできたことは自信になったし、自分の特長をピッチで表現できて良かった」
 
 昨シーズンの先発はわずかに1試合のみ。チームの成績も2位に終わり、悔しさだけが残った。するとオフに他クラブからオファーが届き、心機一転で環境を変える選択も頭をよぎった。

 悩み抜いた末の残留は、覚悟の表われだ。背番号のネームを『MIZUNUMA』に変更。クラブ30周年の節目に、自身の足跡を残そうと誓った。

「子どもの頃から夢見てきたリーグ制覇を、自分が一度離れたマリノスで達成できたのは感動的で、あきらめずにやってきて良かった。一緒に戦ってきた仲間と皆様に感謝したい」

 チームリーダーがシャーレを高々と掲げ、トリコロールに3シーズンぶりのリーグタイトルをもたらした。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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