「無様なカンフーサッカー」中国超級リーグで多発する“残虐ファウル”に地元メディアも辛辣批評!「また韋世豪がやらかした」

2022年08月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

かつて橋岡の後頭部にハイキックをお見舞いした選手が

カタールW杯最終予選でも活躍した韋世豪(右)。今回は国内リーグで開始10秒に起こしたラフプレーが物議を醸している。(C)REUTERS/AFLO

 中国スーパーリーグでの"残虐ファウル"が止まらない。先週末に行なわれた第15節でもふたつの重大なアクシデントが起こった。
【動画】中国超級リーグで起こったふたつの"残虐ファウル"をチェック!

 前節の8月21日、武漢長江vs河南嵩山龍門戦ではアウェーチームのブラジル人FWドゥラードが主審に対して激高し、全速力で後方から報復タックルを繰り出して一発退場となったばかり。後日32歳のベテランは中国サッカー協会から「12か月の出場停止」と「20万元(約400万円)の罰金」を科され、目下キャリアの岐路に立たされている。

 そして8月28日の今節、まずは武漢vs深センFCの出来事だ。武漢が5-1とリードして迎えた77分、深センの中国代表DF姜至鵬(ジャン・ジペン)が、武漢のMF鄧涵文(ドン・ハンウェン)に右サイドでの突破を許して猛追。間に合わないと判断するや、両足を投げ出してのレイトタックルを敢行し、鄧涵文の右足首を激しく削った。主審はいったんイエローを提示するが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって一発レッドに変更。鄧涵文は大事にこそ至らなかったが、ともすれば大怪我に繋がりかねない蛮行だった。

 ちなみにこの姜至鵬は、2019年のE-1選手権で日本代表と対戦した際、DF橋岡大樹の後頭部にジャンピングハイキックをお見舞いしたあの選手である。

 もう1試合は、河南vs広州FC戦。こちらは開始10秒だった。

 ロングボールを頭で弾き返すべく、ジャンプした河南DFの趙宏略(チャオ・ホング)に向かって、猛然と体当たりしたのが広州の中国代表DF韋世豪(ウェイ・シャオ)だ。趙宏略はもんどりうって地面に倒れ、起き上がれない。その後なんとか8分間プレーしたが痛みに耐えられず、負傷交代。診断の結果、肋骨を4本も折る大怪我で全治3か月以上とされ、2022年シーズン内での復帰は絶望となってしまった。

 驚くべきことに、韋世豪のファウルは警告対象にさえならず、VARによるチェックも行なわれなかった。中国のSNS上では「選手生命に関わる乱暴な行為だ」「なぜレッドじゃないんだ!」「あらためて制裁を加えるべき」など厳しい意見が相次いで寄せられている。韋世豪はラフプレーの常習者で、「またやらかした!」「学ばないヤツだ」といった声も少なくない。
 

 中国メディア『騰迅体育』はスーパーリーグで相次ぐ卑劣なファウルを受け、特集コラムを掲載。「ファウルはサッカーとは切り離せないもの。時には必要なファウルやテクニカルなファウルもある」と前置きしたうえで、「だが最近の中国スーパーリーグにおいては目も当てられないファウルがあまりにも多い」と断じ、次のように論じている。

「中国スーパーリーグはよく他国から"カンフーリーグ"などと揶揄される。もちろん誇張が含まれる場合もあってすべてを容認はできないが、正直に言って、我々の多くの選手たちのサッカーは汚いと言わざるを得ない。無様だと形容されても致し方ないだろう。韋世豪などは、国際Aマッチでもすぐに癇癪を起こして自己がコントロールできなくなってしまう。結果、相手に怪我を負わせるようなファウルを繰り返しているのだ。中国を代表する選手がこれでは困る。もっとピッチ上では模範となり、成熟した姿を見せなければいけない!」

 中国スーパーリーグにあっては審判のレベルについても多くの議論が交わされており、『新浪体育』などは「酷いラフプレーが見落とされがちで、プロリーグが始まって28年が経っても、その傾向はあまり変わっていない。世界基準からかけ離れているようだ」と指摘している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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