「赤い波が彼らを称えた」韓国人記者が全北イレブンを拍手喝采で見送った浦和サポに感銘!「勝敗を超えた最大級の敬意」

2022年08月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「固く口を閉ざし、アウェー側の応援席に挨拶を済ませて…」

死闘を繰り広げた浦和と全北。埼玉スタジアムにまた新たな名勝負が刻まれた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 文字通りの死闘だった。

 8月25日に埼玉スタジアムで開催されたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準決勝、浦和レッズvs全北現代(韓国)の一戦は、ホームチームのPK戦勝利で幕を閉じた。
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 90分間を終えて1-1。延長戦に入って全北が逆転ゴールを決めるが、その後半アディショナルタイムに浦和は途中出場のキャスパー・ユンカーが起死回生の同点弾を蹴り込んで、ふたたびスコアをタイに戻す。PK戦で抜群の読みを披露したのがGK西川周作だ。百戦錬磨の守護神が見事2本のキックをブロックした浦和が、これを3-1で制し、3年ぶり4度目となるACLファイナルに駒を進めた。

 一方、敗れた全北イレブンにとっては過酷な1週間となった。ラウンド・オブ16の大邱FC(韓国)戦、準々決勝のヴィッセル神戸戦に続いて、3戦連続で延長戦に突入。だが、8日間で360分間を闘うハードな状況下にあっても、最後まで集中力を切らさずにファイティングスピリットを示し続けた。母国・韓国のメディアはこぞってその健闘ぶりを評価し、韓国勢最後の生き残りとして意地を見せた全北に対して、SNS上でも称賛の声がそこかしこで上がっている。

 そして、埼玉スタジアムで現地取材した『My Daily』のイ・ヒョンホ記者は、試合後のとある光景に目を奪われたという。「浦和ファンの赤い波が彼ら全北イレブンを称えた」と銘打ち、次のようにレポートしている。
 

「死力を尽くしてゲームを終えた全北現代の選手たち。固く口を閉ざしてアウェー側の応援席に挨拶を済ませ、中央のゲートへと引き上げていくタイミングだった。メインスタンドにいた浦和のファンが一斉に立ち上がって、彼らをスタンディングオベーションで見送ったのだ。それはまさしく、誠実さから起こった拍手喝采。偉大なゲームを闘った対戦相手に最大級の敬意を表しつつ、勝敗を超えた想いが、敵である韓国のチームに届けられた」

 ヒョンホ記者は上階の記者席からその様子を撮影し、記事に添えて掲載。がっくりと肩を落として退場する全北イレブンを、まさに"赤い波"が包み込んでいるように見えるカットだ。

 なお決勝戦はホーム&アウェー方式で、来年2月19日に第1戦が、同26日に第2戦が開催される。アラブ勢が中心の西地区は現在、ベスト8まで出揃っており、来年2月3日からノックアウトラウンドが実施される予定だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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