「発言すれば刑務所に…」ロシアのアスリートを擁護した元ウクライナ代表のエースがTVコメンテーターを即解任「沈黙を正当化することは皮肉を超えている」

2022年04月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「アスリートのせいではない。彼らが私たちから何を奪う?」

主に90年代に活躍したレオネンコ氏。(C)Getty Images

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まってから、約1か月半が経過した。ロシア軍はウクライナ東部への攻撃を強め、日々多くの民間人が犠牲となっている。

 この暴挙に対し、国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)は、ロシアのあらゆるカテゴリーの代表及びクラブチームの国際大会への参加を禁止する制裁を発表。こうした動きはスポーツ界全体に波及している。

 また、ロシアの多くのアスリートが反戦を訴えず、"沈黙"していることへの批判も少ない。ウクライナ代表のヴィタリー・ミコレンコ(エバートン)やアンドリ―・ヤルモレンコ(ウェストハム)も発言しないロシア代表選手を非難している。

 そんななか、ロシアのアスリートを擁護する発言をしたロシア出身の元ウクライナ代表FWヴィクトール・レオネンコ氏が、テレビ局のコメンテーターを解任された。ウクナイナ・メディア『SPORT』などが報じている。
 
 現地報道によれば、レオネンコ氏は『sportarena』のインタビューの中で、「(軍事侵攻は)アスリートのせいではない。彼らが私たちから何を奪う? ロシアでは、発言により刑務所に入れられる可能性がある。だから、特にアスリートを非難はしない」とコメントした。

 これを受けて、『フットボール1/2/3TVチャンネル』のディレクターであるオレクサンドル・デニソフ氏がコメントを発表。レオネンコ氏をコメンテーターの職から解いた。

「友人、ヴィクトール・レオネンコの最新の声明について。このインタビューでの彼の発言は、すべて彼の立場にすぎない。ロシアのアスリートの背景を理由に、彼らの沈黙の立場を正当化することは皮肉を超えている。このインタビューの後、フットボールチャンネルは、レオネンコ氏との協力関係を終了した」

 現在52歳のレオネンコ氏は、ウクライナの名門ディナモ・キエフなどで活躍。同クラブの後輩であるアンドリ―・シェフチェンコやセルゲイ・レブロフが台頭するまでは、ウクライナ代表のエース格だった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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