「タケのパフォーマンスは監督の誤算」久保建英の課題をマジョルカ番記者が指摘。大型FWの加入で求められる“新たな役割”とは?【現地発】

2022年02月14日 エレナ・ガルシア

システムを4-4-2に変更

ムリチの加入で久保に求められる新たな役割とは? (C)Mutsu FOTOGRAFIA

 タケ・クボ(久保建英)は大きな期待を背負って昨夏にマジョルカに再加入した。しかし開幕以来、日本代表MFは好プレーを継続することができていない。2度にわたる離脱が、コンディションを整えるための大きな障壁となったことは紛れもない事実だったとしても、だ。

 右サイドハーフとして出場した前節のカディス戦(マジョルカが2-1で勝利)でも散発的に良さを発揮するだけに留まった。残念ながらこれはここ数試合の彼のいつもの傾向だ。

 ルイス・ガルシア・プラサ監督にとっても中心選手として期待を寄せている選手のこのイレギュラーなパフォーマンスは誤算であろう。もっとも信頼が低下したわけではない。それを証拠に継続してスタメンで起用している。ただ、だからこそ、タケは安定感を磨いて、チームへの貢献度を高めなければならない。その意味でも、アスレティック・ビルバオをホームに迎える今夜の試合は、試金石ともいえる一戦だ。

【動画】現地紙感嘆!サイドチェンジのパスを神トラップ→カィアスDFを翻弄する久保
 マジョルカは前線を強化するために冬の移籍市場でラツィオからヴェダト・ムリチをレンタルで獲得した。このコソボ代表ストライカーは、今までチームにいなかったタイプの選手だ。頑丈なボディと194センチの高さを併せ持ち、彼の加入はチームの戦術において根本的な変化をもたらしている。

 システムにおいてもその違いは見られる。ルイス・ガルシア監督は開幕以来、4-2-3-1を採用してきた。しかしムリチの加入を境に前線の枚数を一枚増やし4-4-2にシフト。その結果、マジョルカは以前よりも大胆で勇気ある戦いを見せるようになっている。

 チームの全ての選手がこの新戦術への適応に取り組んでおり、もちろんタケも例外ではない。空中戦で無類の強さを発揮するストライカーが最前線で構える中、タケに求められるのは、ボックス内にクロスを供給するプレーだ。

 カディス戦でもタケは純粋なウイングのように振る舞っていた。カットインが彼の十八番であり続けることは間違いないが、今後ムリチの良さを引き出すためには、それ以外のプレーを意識的に増やすことが義務づけられている。

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次ページ守備面に関しても、タケはまだまだ改善の余地がある

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