【J1採点&寸評】広島×横浜|広島が堅守からのカウンターでしたたかに勝利。第2ステージ無傷の4連勝で、年間勝点でも1位に立つ

2015年07月26日 小田智史(サッカーダイジェスト)

ドウグラスが今季初の1試合・2得点。守備では千葉が仁王立ち。

【警告】広島=ドウグラス(68分)/横浜=三門(45+1分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】千葉和彦(広島)

【試合内容】
 序盤は横浜がボールを支配。遅攻でチャンスを窺うも、中盤での連係ミスが多く、広島の守備を打ち崩せない。対する広島は、堅い守備からカウンターを狙う展開を選択。互いに決定機を作れず、スコアレスのまま前半を折り返すと思われた45+2分、広島がPKを獲得し、これをドウグラスが落ち着いて決めて先制した。
 
 後半に入っても、横浜がボールを保持し、広島が迎え撃つ構図は変わらない。54分、広島はインターセプトからカウンターを発動し、最後はドウグラスが技ありのヘッドで追加点。その後、FW2枚を投入して攻勢を強めた横浜を上手くいなしながら逃げ切った。第2ステージ4連勝を飾った広島は、年間勝点でも敗れた浦和を抜いて1位に浮上した。

【J1 PHOTOハイライト】広島 2-0 横浜

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・4節

【チーム採点・寸評】
広島      
横浜に60パーセントものボール支配を許すなか、したたかにカウンターで対抗。相手のミスにも付け込み、効率良く2点を奪った。クラブ新記録の10戦負けなしで年間勝点1位に浮上。
 
横浜    
後方からボールをつなぐも、敵陣での連係の精度が上がらず、自ら難しい展開にしてしまった。同点を狙った後半にミスから追加点を奪われ万事休す。7戦連続で勝利から見放されている。
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
相手の拙攻(枠内シュート0本)も手伝って、今季6度目のクリーンシートを達成。ハイボールの処理も冷静かつ的確だった。
 
DF
4 水本裕貴   
機を見て攻め上がり、先制点につながるCKを奪う。守備では攻め込まれる場面こそあったが、シュートコースはしっかり切っていた。
 
5 千葉和彦   
くさびのパスへのケアだけでなく、1対1でもアデミウソンを完璧に封じる。自らカウンターにも参加し、縦へのチャレンジでチームを鼓舞。
 
19 佐々木翔    5.5
セットプレーでファウルを誘発し、待望の先制点を生んだ半面、ボールロストからカウンターを受ける場面も多く、安定感を増したい。
 
MF
6 青山敏弘 6
チームがボールを保持する時間が短かった分、縦パスは半減。それでも両チームトップの走行距離が示すように攻守で泥臭く奮闘した。
 
8 森﨑和幸 6.5
野津田との連動したプレスからカウンター一閃。「攻守の切り替えを早く」というハーフタイムの指示を体現し、2点目の起点になった。
 
14 ミキッチ 6
チーム最年長はこの日も献身的に上下動を繰り返し、青山に次ぐ11.477キロを走破。ドウグラスへのピンポイントクロスも見事だった。
 
18 柏 好文 6
サイドを抉る突破、シュートとクロスを織り交ぜたカットインで横浜の堅守を翻弄。ただ、前節に比べると一瞬のキレには物足りなさを感じた。
 
9 ドウグラス 6.5
移籍後初の1試合・2得点。得意のフィジカル勝負に持ち込む場面は限られるも、少ないチャンスをモノにする決定力は称賛に値する。
 
24 野津田岳人 5.5
スピードあるチェイスで横浜の攻撃を遅らせた点は評価。ただ、肝心の攻めではすぐにボールを戻してしまい、積極性に欠けた感は否めない。
 
FW
11 佐藤寿人 6
裏を狙って駆け引きを続けるもシュートにつながるパスは来ず。その分、プレスで中村へのパスを封じるなどチームプレーで補填した。
 
交代出場
FW
29 浅野拓磨 5.5
本人曰く「守備で戸惑いがあった」反動か、カウンターの際に積極性を欠く。元日本代表DFの中澤相手に真正直に勝負に行き過ぎた。
 
MF
7 森﨑浩司 6
スライディングや球際で激しく当たるなど、コンディションは向上。ブロックを低く敷いた影響で攻撃のスピードアップはできなかった。
 
MF
28 丸谷拓也 -
ゲームを終わらせる定番の起用法。ボールに絡むことはなかったものの、最終盤の押し込まれる時間帯を無難に凌ぎ、役目を果たした。
 
監督
森保 一 6
堅い守備をベースに、カウンターを狙う戦術が的中。着実に勝点を奪うことにフォーカスしてきた結果が、年間勝点1位浮上につながった。

次ページ「ボランチ中村」は機能せず、ボールロストから追加点を奪われる。

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