Jリーグが金明輝前監督のパワハラを認定。出場資格停止8試合のほか、サガン鳥栖にも罰金300万円

2021年12月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

今月20日に金明輝監督は退任。後任は川井健太氏

今季チームを7位に導いた手腕は評価すべきだが、Jリーグの調査結果は重く受け止めるべきだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは12月30日、サガン鳥栖の金明輝前監督にかけられていたパワーハラスメントの疑いに対する調査結果を発表し、同氏への懲罰を決定した。

 今年8月に日本サッカー協会の「暴力等根絶相談窓口」に寄せられた複数の告発文を受けて、Jリーグが10月から金前監督を含む鳥栖のクラブ関係者や選手などに独自のヒアリング調査を行なっていた。

 この度Jリーグが公表した内容では、「金前監督は、サガン鳥栖U-18の監督を務めていた時期(2016年~2018年)から、サガン鳥栖のU-18またはトップチームの選手およびチームスタッフに対し、暴力行為や暴言によるパワーハラスメントを繰り返しており、その結果、多数のチーム関係者が深刻な精神的なダメージを受ける等の被害が複数生じた」と認定。

「JFA指導者に関する規則」第20条第7号の「暴言・暴力及びハラスメント行為を行わない」に違反したとして、公式試合への出場資格停止8試合、又は8試合に相当する期間の経過とけん責を決定。なお、公式試合に参加する立場の役職に就いていない場合は、公式試合8試合に相当する期間(2022年2月19日~3月26日)の経過をもって公式試合8試合の出場の資格停止を消化したものとみなすとしている。
 
 また、「金前監督は、選手に対して悪意を持って接したことはなく、指導の意図を有していたというものの、それをもってハラスメント等の該当性が否定されるものではない」「社会的に許容されうる範囲を逸脱し、指導又はコミュニケーションの方法として必要性を欠くもの」と厳しく糾弾している。

 さらに「クラブ自身で必要な調査を実施して事実を把握し、その原因究明、再発防止、適切な処分を行うことで、クラブの自浄能力を示すべきであった」とし、長期間に渡って問題を看過してきたとして、鳥栖のクラブとしての責任も追及。罰金300万円と、けん責を課した。

 鳥栖は今月20日に金明輝監督の退任を発表。24日に川井健太氏の新監督就任を決定していた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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