ポゼッションへの挑戦はいわば「印象」でしかない。
今シーズン序盤のアトレティコは、従来よりもポゼッションに比重を置いたスタイルの構築に取り組んでいるように見えた。そのため、トレーニング内容にも変化が生じているのではないかと考える向きもある。
しかし実際のところは、シメオネが新たな戦術を導入したわけではない。近年、ヤニック・カラスコ、ニコラス・ガイタン、アンヘル・コレア、ガメイロなどテクニックに長けたアタッカーが続々と加入したことで、スタイルが変わったような印象を受けるだけだ。
現にトレーニング内容に大きな変化はないし、特段新しい戦術練習を取り入れているわけでもない。今シーズンもアトレティコは、リーガ・エスパニョーラで上位につけ、チャンピオンズ・リーグ(CL)でもベスト8に進出。この結果を見る限り、信念を貫き通しているシメオネの判断は、間違ってはいないと言えるはずだ。
アトレティコ、そしてシメオネにとって、とりわけここ3年で二度も決勝で敗れたCLに懸ける思いはひと際強い。悲願のビッグイヤー獲得に向けて、アトレティコは独自のシメオネ・スタイルで驀進を続ける。
文:カルレス・クアドラット
翻訳:下村正幸
※『ワールドサッカーダイジェスト』2017年4月6日号より加筆・修正
【著者プロフィール】
カルレス・クアドラット/バルセロナのカンテラで左SBとして育成され、サバデルやガバ、年代別のスペイン代表などで活躍する。1999年の引退後はバルサの下部組織で指導に当たり、フランク・ライカールトの腹心としてバルサとガラタサライのフィジカルコーチ、サウジアラビア代表やエルサルバドル代表のアシスタントコーチなどを歴任。今夏からインド・リーグのベンガルールFCでセカンドコーチを務める。1968年10月28日生まれ。
しかし実際のところは、シメオネが新たな戦術を導入したわけではない。近年、ヤニック・カラスコ、ニコラス・ガイタン、アンヘル・コレア、ガメイロなどテクニックに長けたアタッカーが続々と加入したことで、スタイルが変わったような印象を受けるだけだ。
現にトレーニング内容に大きな変化はないし、特段新しい戦術練習を取り入れているわけでもない。今シーズンもアトレティコは、リーガ・エスパニョーラで上位につけ、チャンピオンズ・リーグ(CL)でもベスト8に進出。この結果を見る限り、信念を貫き通しているシメオネの判断は、間違ってはいないと言えるはずだ。
アトレティコ、そしてシメオネにとって、とりわけここ3年で二度も決勝で敗れたCLに懸ける思いはひと際強い。悲願のビッグイヤー獲得に向けて、アトレティコは独自のシメオネ・スタイルで驀進を続ける。
文:カルレス・クアドラット
翻訳:下村正幸
※『ワールドサッカーダイジェスト』2017年4月6日号より加筆・修正
【著者プロフィール】
カルレス・クアドラット/バルセロナのカンテラで左SBとして育成され、サバデルやガバ、年代別のスペイン代表などで活躍する。1999年の引退後はバルサの下部組織で指導に当たり、フランク・ライカールトの腹心としてバルサとガラタサライのフィジカルコーチ、サウジアラビア代表やエルサルバドル代表のアシスタントコーチなどを歴任。今夏からインド・リーグのベンガルールFCでセカンドコーチを務める。1968年10月28日生まれ。