11月の2試合で日本が強くなった錯覚するだろうけど、それは本当の意味の強さを伴わない「虚像JAPAN」だよ。
それにしても、南野に45分ぐらいプレーさせてあげたかったね。あの起用を見ると、なんのために呼んだのか疑問だよ。南野のためにならないし、ベンチにいたU-22代表の手倉森監督にとっても参考にならないだろうね。技術委員長はベンチでこの起用法を見て、強化の観点からなにも思わないのかな。
日本の選手層が一向に厚くならない理由が、いろいろ分かった試合でもあるね。選手を試したいけど、勝利ボーナスも欲しい。ハリルのそんなジレンマが透けて見えるよ。
こんな調子で強化して、ワールドカップは惨敗――そんな姿が目に浮かぶね。でもプロの監督であれば、少しでも多く稼ぎたいのは当然だし、それ自体は決して責められない。だからこそ、協会や技術委員長の舵取りが重要なんだけどね。
強化には資金が必要で、協会が稼ごうとしたら“真の強化試合”は少なくなる。なぜなら、主力を揃えた強豪国と対戦するとなれば、それなりの資金がかかるからね。当然、日本は資金を払う側で、儲けを優先したら大した相手が日本に来ない。だからと言って、強豪国を呼べば採算が合わない。
もちろん興行で稼ぐのは悪いことじゃないよ。でも、その儲けは協会の懐を肥やすためじゃなく、日本の純粋な強化に充ててほしいよね。2014年度決算で協会は21億円の黒字だったみたいだけど、その割にリオ五輪世代にさして投資していないし、強化に還元されていない印象を受けるよ。
ブラジル大会でグループリーグ敗退した事実を、本当に反省しているのかな。本田はワールドカップ優勝と口にしていたけど、選手たちには自由に言わせておけばいい。
サッカーファンだって、日本の現状に不安を抱いているでしょ。ワールドカップに行けるのか、五輪に行けるのかって。着実に日本が成長していれば、今みたいな閉塞感は生まれないはずだけどね。
ただ11月の2試合は楽だから、日本が強くなったとまた錯覚するだろうけど、それは本当の意味での強さが伴っていない「虚像JAPAN」にすぎないよ。