■インテル
　開幕を２週間後に控えた８月上旬のロベルト・マンチーニ解任にはじまり、フランク・デブールの招聘と序盤戦の深刻な不振、そしてわずか３か月足らずでの指揮官交代と、前半戦はかつてのインテルが戻ってきたかのようなドタバタ続きだった。
 
　しかし、今シーズン３人目の指揮官として招聘したステーファノ・ピオーリが、４バックの前にジョフレー・コンドグビア、マルセル・ブロゾビッチというフィジカルとテクニックを合わせ持った強靭なMFを２人並べたソリッドな４-２-３-１をベースにチームを再構築。現スカッドの最大の武器である前線のアタッカー陣が本来のプレースタイルで持ち味を発揮できる環境を整えた。
 
　トップ下にエベル・バネガ（またはジョアン・マリオ）という中盤と前線を結びつけるトレクァルティスタを配することで、CFのマルロ・イカルディがフィニッシュに専念できるようになっただけでなく、アントニオ・カンドレーバ、イバン・ペリシッチという左右のウイングも、ワイドなポジション取りに縛られることなくより自由に周囲と絡みながらプレーできるようになった。
 
　10月末には12位に低迷していた順位も、その後の２か月で最低目標のヨーロッパリーグ（EL）圏内まで３ポイント差、CL圏内まで５ポイント差の７位まで上がってきた。
 
　後半戦に入ってこのまま調子を掴み、白星を積み重ねることができれば、ELはもちろんCL出場権も射程に入れることができるかもしれない。ダメダメな状況でスタートしたシーズンをポジティブな形で終える可能性は、まだまだ残されている。