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泣くことすらできない病… 森﨑浩司の凄絶なサッカー人生に恩師ミシャはどう寄り添ったのか?

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2016年10月26日

「泣けるというのは素晴らしいんですよ」

「(病気の影響で)泣くことすらできなかった時もあった」と語った浩司。栄光を勝ち取った一方で、病との闘いでもあったサッカー人生を振り返った。写真:中野香代(紫熊倶楽部)

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 10月24日、広島市内のホテルでクラブ史上初となる引退記者会見に臨んだ偉大なる7番の表情は実に晴れやかだった。森保監督が「本当によく頑張った」と嘆息するほど辛いサッカー人生を走りきった男は、「悔いはありません」と言い切った。
 
「広島のために選手としてではなく、違う形で貢献したい」と会見で語ったように、これからも彼の頑張りが広島で見られる可能性もある。ただ、今は未来のことを語るよりもまず、心身をゆっくりと休めてほしい。サッカーのことを忘れ、開放感に包まれながら、家族との時間を過ごしてほしい。それだけの資格が、森﨑浩司にはある。
 
「10月29日のホームラストマッチでのセレモニー、きっと涙をこらえられない。今からもう、泣いている人もいるからね」
 
 こんな言葉を投げかけると、7番は穏やかにこう言った。
 
「泣けるというのは素晴らしいんですよ。僕には、(病気のために)泣くことすらできない時期があったから」
 
 こんな凄絶な人生を戦ってきた男の引退に、精一杯の拍手を。
 
取材・文:中野和也(紫熊倶楽部)
 
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