【リバプール番記者が独白】ロジャース解任とクロップ招聘の舞台裏

カテゴリ:ワールド

ジェームズ・ピアース

2015年10月11日

実はすぐにでも発表できる準備をしていたはずだ。

ヘンリー(左)やエアー(右)など首脳陣のコメントとは裏腹に、リバプールはロジャース在任中からクロップと接触していた可能性が高い。(C)Getty Images

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 クロップに話を戻せば、実はクラブ上層部は、ずいぶん前から彼の招聘を画策していた。
 
 最初は前述したホジソンのクビを切った2011年1月。その時は本人がドルトムントを離れたがらなかったから、リバプールは断念せざるをえなかった。12年6月にケニー・ダルグリッシュを解任した際にも、再びアプローチをかけたが、この時も断わられた(結局、ロジャースを招聘)。
 
 つまり、リバプールは5年近くに渡ってクロップを理想の人材と考えており、今回ようやくその夢を叶えたというわけだ。
 
 クラブ関係者は決して口を割らないが、今回もロジャース在任中にクロップとコンタクトを取っていたはずだ。ロジャースが解任されたのが日曜日(10月4日)で、首脳陣は「クロップと初めて会話したのは月曜日」と公には言っている。でも、この業界に長くいる人間であれば、それが嘘だと容易に気付くだろう。
 
 そうじゃなければ、リバプールのようなビッグクラブが、後釜が決まっていないのに、開幕からわずか8試合で監督を解任するわけがないだろ? 本当は月曜日にでも発表できたけど、あえて木曜日まで4日の間隔を空けたのは、ロジャース在任中のクロップとの接触を露骨にしたくなかったからだよ。
 
語り手:ジェームズ・ピアース(リバプール・エコー紙)
取材・翻訳:松澤浩三
 
【語り手プロフィール】
James PEARCE / Liverpool Echo
ジェームズ・ピアース(リバプール・エコー紙)
地元紙『リバプール・エコー』の看板記者。2000年代半ばからリバプールを担当し、クラブの裏の裏まで知り尽くす。辛辣ながらフェアな論評で、歴代の監督と信頼関係を築いた。
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