2シャドーは乾のベストポジション。
■新天地ベティスで2シャドーに挑む乾貴士
乾はいいね。ダービー(セビージャ戦)では3トップの左サイドで使われていた時間帯もあったけど、基本的には2シャドーの一角。エイバル時代とは異なる役割になるとはいえ、彼にとってはベストポジションじゃないかな。
2シャドーでコンビを組むカナレスは、ボールにたくさん触ってパスをさばく、いわば司令塔的な選手。彼もドリブラーなんだけど、相手を抜くドリブルはしない。でも乾は、突破型のドリブラー。彼にはひとりはがしてファーに入れたり、ひとりはがしてシュートを撃つという役割が求められている。
守備については、セビージャ戦ではかなり頑張っていたけど、実はそんなに求められていなくて、やっぱりこれから求められるのはアシストとゴールだろうね。エイバルでは仕事のうち7割がディフェンスで、ディフェンスをこなしてからの攻撃、つまり残り3割の部分で別格なものを見せてた。
でも今度は逆で、7割が攻撃になる。だから、トップ下の1番手はカナレスなんだけど、完全な2番手になっちゃダメ。しっかり1.5番くらいの感じで、自分のスタイルを作らないと。セビージャ戦の出来も決して悪くはないけど、もっと「オレ発信」のプレーを作りたいね。ドリブルでかわしたら、ワンツーかなにかでスパッとはたいて前に行くような、自分主導の展開に持っていかないと、そんなに時間はくれないだろうからね。
ダービーにスタメン出場して、ワンプレー目ですれ違いに股抜いていったでしょ、あれでいいんだよ。あれでもう、ベティコはうなっちゃうわけだから。コイツはベティスのスタイルに合ってるぜ、ってね。あれを見せていければ大丈夫。あの股抜きをやって、倒れてファウルをもらう。するとサポーターはいい選手じゃないかって認めはじめる。
得意の角度からの惜しいシュートもあったけど、あれを決めていれば半年は街中のレストランで“タダ飯”が食えただろうね。でも、あのふかし方はダメ。あれじゃ3か月がいいところ。せめてポストに当たっていれば5か月はいけたかもだけどね(笑)
■ヘタフェで苦戦が続く柴崎
開幕戦を見ても、柴崎の動きそのものは悪くない。ただ、やっぱり4-4-2はキツイのかな。フラットの4-4-2でどこをやる? 日本代表みたいに、選手間の距離がキュっと狭くて、柴崎が潰しにいって、長谷部がカバーするとか、そういう形がとれるならいいんだけど、ヘタフェはひとりずつでブロックを作っているから、結局個人で決着をつけないといけない。イタリアやスペインは、とくにその傾向が強いんだよね。
そうすると、柴崎がプレーできるのは2トップの一角かサイドのバランサーってことになるけど、サイドだと今度はアップダウンがあるから、監督は「ならば走れるアマトを使おう」ってことになる。いまのヘタフェで柴崎がらしさを発揮するのは難しいかもしれないね。
取材協力:WOWOW
取材・文:竹田忍(サッカーダイジェストWeb編集部)
―――――――
【解説者PROFILE】
宮澤ミシェル/1994年日本代表選出。ジェフ市原のDFとして活躍。引退後は帝京高校コーチ、ツエーゲン金沢スーパーバイザーを歴任。現在はWOWOW『リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などで解説を務める。<選手経歴>フジタ→ジェフユナイテッド市原(1995年引退)
乾はいいね。ダービー(セビージャ戦)では3トップの左サイドで使われていた時間帯もあったけど、基本的には2シャドーの一角。エイバル時代とは異なる役割になるとはいえ、彼にとってはベストポジションじゃないかな。
2シャドーでコンビを組むカナレスは、ボールにたくさん触ってパスをさばく、いわば司令塔的な選手。彼もドリブラーなんだけど、相手を抜くドリブルはしない。でも乾は、突破型のドリブラー。彼にはひとりはがしてファーに入れたり、ひとりはがしてシュートを撃つという役割が求められている。
守備については、セビージャ戦ではかなり頑張っていたけど、実はそんなに求められていなくて、やっぱりこれから求められるのはアシストとゴールだろうね。エイバルでは仕事のうち7割がディフェンスで、ディフェンスをこなしてからの攻撃、つまり残り3割の部分で別格なものを見せてた。
でも今度は逆で、7割が攻撃になる。だから、トップ下の1番手はカナレスなんだけど、完全な2番手になっちゃダメ。しっかり1.5番くらいの感じで、自分のスタイルを作らないと。セビージャ戦の出来も決して悪くはないけど、もっと「オレ発信」のプレーを作りたいね。ドリブルでかわしたら、ワンツーかなにかでスパッとはたいて前に行くような、自分主導の展開に持っていかないと、そんなに時間はくれないだろうからね。
ダービーにスタメン出場して、ワンプレー目ですれ違いに股抜いていったでしょ、あれでいいんだよ。あれでもう、ベティコはうなっちゃうわけだから。コイツはベティスのスタイルに合ってるぜ、ってね。あれを見せていければ大丈夫。あの股抜きをやって、倒れてファウルをもらう。するとサポーターはいい選手じゃないかって認めはじめる。
得意の角度からの惜しいシュートもあったけど、あれを決めていれば半年は街中のレストランで“タダ飯”が食えただろうね。でも、あのふかし方はダメ。あれじゃ3か月がいいところ。せめてポストに当たっていれば5か月はいけたかもだけどね(笑)
■ヘタフェで苦戦が続く柴崎
開幕戦を見ても、柴崎の動きそのものは悪くない。ただ、やっぱり4-4-2はキツイのかな。フラットの4-4-2でどこをやる? 日本代表みたいに、選手間の距離がキュっと狭くて、柴崎が潰しにいって、長谷部がカバーするとか、そういう形がとれるならいいんだけど、ヘタフェはひとりずつでブロックを作っているから、結局個人で決着をつけないといけない。イタリアやスペインは、とくにその傾向が強いんだよね。
そうすると、柴崎がプレーできるのは2トップの一角かサイドのバランサーってことになるけど、サイドだと今度はアップダウンがあるから、監督は「ならば走れるアマトを使おう」ってことになる。いまのヘタフェで柴崎がらしさを発揮するのは難しいかもしれないね。
取材協力:WOWOW
取材・文:竹田忍(サッカーダイジェストWeb編集部)
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【解説者PROFILE】
宮澤ミシェル/1994年日本代表選出。ジェフ市原のDFとして活躍。引退後は帝京高校コーチ、ツエーゲン金沢スーパーバイザーを歴任。現在はWOWOW『リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』などで解説を務める。<選手経歴>フジタ→ジェフユナイテッド市原(1995年引退)
【都並敏史のリーガ見聞録|第4回】アトレティコはこれからどんどん良くなると思います――WOWOWオフィシャルサイトにて公開中!