【コラム】今季のJクラブが教訓的に示した「DAZNマネー」の現実的な使い道

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2017年12月27日

これからクラブの成否を分けるのはピッチ上だけではない。

今季のベストヤングプレーヤー賞にも選出された中山らを輩出する柏は、一貫性のある育成でチーム力を伸ばしてきた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本サッカー発展のカギは、選手を育てて売ることだ。世界のサッカーは、欧州を軸に回っていて、たぶんそれは未来も変わらない。それでも強豪と伍して戦うには、優秀な輸出国でなければならない。言葉は悪いが、先の見えたベテランが、若い可能性にフタをするような状況は最も避けなければならない。ブラジル、アルゼンチンなどの南米諸国も、オランダやベルギーのような欧州の小国も、若い選手の登竜門のようなリーグを運営している。そう考えれば、流入したDAZNマネーを、そのまま大型補強にばかり充てるのは、あまりに短絡だ。
 
 輸出国に不可欠なのは育成力である。柏が示す若年層から一貫性のある育成もあれば、川崎(名古屋)のように、たとえ大久保や家長昭博らのベテランが来ても、伸びしろを引き出してしまう指導力もある。あるいは、アヤックスのように、優れた素材を収集するために各地に拠点を広げていくのが有効かもしれないし、一流のアナリストを雇うことで劇的な成果を収められる可能性もある。
 
 いずれにしても、これからクラブの成否を分けるのは、ピッチ上だけではない。たとえ予算枠が変わっても、プロの職人で固めて効率を追求する仕組みの構築は避けて通れない。
 
取材・文●加部 究(スポーツライター)
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