【東京V】昨季20位から8位に躍進も… あと一歩昇格プレーオフに届かなかった理由

カテゴリ:Jリーグ

海江田哲朗

2015年11月26日

限られた戦力をやり繰りして選手の長所を引き出した指揮官のマネジメント力。しかし終盤の起用法には疑問も……。

限られた戦力ながらも抜群のマネジメント力を発揮した冨樫監督。選手たちの長所を引き出し、チームをプレーオフ争いをするまでに躍進させた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 開幕前、竹本GMはアラン、ブルーノ・コウチーニョ、ウェズレイの3選手について「攻守におけるセットプレーの強化も目的のひとつ」と語っていたが、最終的にはリスタートがチ-ムの泣きどころとなった。狙いを大きく外してしまったことを如実に示している。
 
 が、これは致し方ない面もある。補強に投じた費用は3人合わせて約2500万円(金額は推定)。まれに、年俸500万円で来日し、ステップアップしていったダヴィ(鹿島)のような例はあるが、そんな選手がそこらに転がっていようか。能力が高く、適応能力に長けた選手を引き当てるには自らスカウト網を広げるなり、より大きな資金を費やして確率を上げるほかない。
 
 冨樫監督は限られた戦力をやり繰りし、選手の長所を引き出す卓越したマネジメント力を示した。チーム内の人間関係、目に見えない空気を敏感に察し、時には温かく、時には厳しく接し、結束力の高いチームを作った。昨季20位のチームを8位まで引き上げるには、この人物以外では難しかったに違いない。
 
 唯一、疑問を覚えたのは、終盤の重要な試合で決定機をことごとく外したブルーノに望みを託し続けた点だ。最終節、得点が必要な場面でもベンチに座るブルーノに声はかからなかった。差し迫った状況で使えない助っ人10番にどれほどの価値があるのか。チームにわずかでもほころびが生じるのを憂慮してか、強化部の意向をくみ取ってか、全体の調和に敏感すぎる点はかえって弱点のように映った。
 
取材・文:海江田哲朗(スポーツライター)
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