「一瞬でも厳しさを緩めたら失点してしまう」(西川)
その後も取材に応じた選手のすべてが「引き分けでもOK」という状況を理解していたと話している。だからこそ、相手の守備をこじ開けようとしてDF陣が攻め上がり、逆に自分たちの守備に“穴”をあける場面は少なかった。ズラタンのキープ力は魅力的だったし、無難に試合を終わらせてくれそうな予感はあった。
それでも終盤に失点してしまうのはなぜか? また、相手を引き離す追加点を決められないのはなぜか?
「負けて学ぶという部分もあるだろうけれど、やっぱり試合で結果を残すことが今の浦和には必要なこと。結果が自信につながっていくから。そのために小さなことにもこだわっていかなくちゃいけない」
最後に取材エリアに姿を見せた那須の言葉はもっともだ。
結果が出なければ、自分たちのスタイルや型を信じ切ることはできない。勝つことでしか、信頼を得られないのは、選手個人だけでなく、その戦術やサッカースタイルも同じなのだ。
とりわけ今季は、興梠、李、関根、梅崎という既存のアタッカーに加えて、ズラタン、石原、高木、武藤という新戦力を獲得し、アタッカー陣の顔ぶれは随分豪華になった。ただし、人材の増加がそのままオプション増につながるのか、それも判断基準は結果ということになる。優勝を狙うチームなら当然の厳しさだろう。
2失点目を決められた後、一番にリアクションをしたのは、西川だった。失点直後、腕を振り上げて、チームメイトを怒鳴り、「早く取り返して来い!」と言わんばかりの仕草で、センターサークルへと仲間を促した。そのシーンだけでなく、笑顔がトレードマークだった西川が明らかに変わっていた。
叱咤することの必要性に気づけたとしたら、西川はさらに成長できる。代表で正GKを争っていくうえでも、チームメイトを厳しく律することができる守護神の顏が持てれば、大きな武器となるに違いない。
「このままじゃいけないと昨季は強く思いました。背番号1をもらえたし、この番号は特別ですからね。試合が終わるまで90分間、一瞬でも厳しさを緩めたら失点してしまう。GKはミスが致命傷につながるし、失点を挽回できるチャンスはほとんどないですから」
だからこそ1本のパスにも厳しくありたい。そう心掛けてほしい――。厳しさを追求し続ける西川なら、粘り強く闘おうとするチームにも波及効果を起こせるはずだ。
取材・文:寺野典子(フリーライター)
それでも終盤に失点してしまうのはなぜか? また、相手を引き離す追加点を決められないのはなぜか?
「負けて学ぶという部分もあるだろうけれど、やっぱり試合で結果を残すことが今の浦和には必要なこと。結果が自信につながっていくから。そのために小さなことにもこだわっていかなくちゃいけない」
最後に取材エリアに姿を見せた那須の言葉はもっともだ。
結果が出なければ、自分たちのスタイルや型を信じ切ることはできない。勝つことでしか、信頼を得られないのは、選手個人だけでなく、その戦術やサッカースタイルも同じなのだ。
とりわけ今季は、興梠、李、関根、梅崎という既存のアタッカーに加えて、ズラタン、石原、高木、武藤という新戦力を獲得し、アタッカー陣の顔ぶれは随分豪華になった。ただし、人材の増加がそのままオプション増につながるのか、それも判断基準は結果ということになる。優勝を狙うチームなら当然の厳しさだろう。
2失点目を決められた後、一番にリアクションをしたのは、西川だった。失点直後、腕を振り上げて、チームメイトを怒鳴り、「早く取り返して来い!」と言わんばかりの仕草で、センターサークルへと仲間を促した。そのシーンだけでなく、笑顔がトレードマークだった西川が明らかに変わっていた。
叱咤することの必要性に気づけたとしたら、西川はさらに成長できる。代表で正GKを争っていくうえでも、チームメイトを厳しく律することができる守護神の顏が持てれば、大きな武器となるに違いない。
「このままじゃいけないと昨季は強く思いました。背番号1をもらえたし、この番号は特別ですからね。試合が終わるまで90分間、一瞬でも厳しさを緩めたら失点してしまう。GKはミスが致命傷につながるし、失点を挽回できるチャンスはほとんどないですから」
だからこそ1本のパスにも厳しくありたい。そう心掛けてほしい――。厳しさを追求し続ける西川なら、粘り強く闘おうとするチームにも波及効果を起こせるはずだ。
取材・文:寺野典子(フリーライター)