【J3昇格レポート】レノファ山口FC “維新の地”からの挑戦

カテゴリ:Jリーグ

上田真之介

2014年12月03日

新加入の岸田が得点王を獲得。環境面も徐々に改善傾向。

JFL参戦1年目の今季、前期は6位、後期は2位となり、年間順位4位でフィニッシュ。

画像を見る

 上野新体制では後方から組み立てるサッカーを目指したが、序盤戦は勝ち星に恵まれず、JFL前期は6位に沈んだ。挽回の一手として夏に期限付き移籍で山崎侑輝(熊本)や西森正明(長崎)らを獲得。さらに、裏へのスピードが武器の岸田和人の特長を最大限に引き出し、後期の序盤戦は盛り返しに成功する。
 
「(後期前に)選手の間でも、まずは結果を出そうという話をしていた。若いチームなので流れに乗れば勝てる。前期に負けていた鹿児島(○3-0)とヴェルスパ大分(○1-0)に気持ち良く勝てたのは大きかった」
 
 31歳のキャプテン、平林輝良寛はそう振り返る。完成形には遠くとも、ビルドアップでもたつくならば前線に素早くボールを供給する。その使い分けが徐々に浸透し、勝ち星が積み重なっていった。
 
 ゴールを量産してチームの順位を押し上げた岸田は、JFL得点王にも輝き、「前期では決め切れなかったが、今のサッカーがJ3でもできれば負けないと思う」と胸を張る。町田から今季新加入し、「朝の疲れていない状態で練習ができている。仕事をしながらサッカーをしている選手も多いが、スポンサーの協力は大きい」と、環境面も好調の要因に挙げた。
 
 サポーターの数も増え続けている。5年前までは数えられるほどの人数だった観客も、ホーム最終戦となった11月2日の維新百年記念公園陸上競技場(維新陸)には、過去最多の4568人が来場。サポーターがフラッグ作りのワークショップを開き、Jリーグに比肩する規模のグルメブースが設けられるなど大いに賑わった。
 
「これだけ盛り上がっているのが力になっている。維新での勝率も良い」と上野監督。維新陸は山口市の市街地に近く、歓楽街の湯田温泉をサポーターがそぞろ歩くなど、数年前までは考えられなかったような光景が広がっている。レノファ熱に呼応するように、地元メディアでの露出機会も増加傾向にある。
 
「選手、クラブ、サポーター、地元メディアがそれぞれの立場で頑張って取り組んできた。どれかひとつでも欠けていたら、今の盛り上がりはなかったと思う」
 
 地域リーグ時代からスタジアムDJを務めている吉永達哉さんにとっても感慨深い。観客数の爆発的な増加とJ3昇格は、関係者の汗が生んだ必然的なリンクだった。
【関連記事】
【山形】山岸範宏×松岡亮輔 ―― 「守」のキーマンふたりが快進撃の理由を語る!
【松本山雅FC】反町康治インタビュー “語録”で振り返るJ1昇格の軌跡
【検証 昇格プレーオフ準決勝】取れず、守れず、勝ち切れず…J1復帰を逃した磐田に足りなかったもの
【J1コラム】ギャンブルに近い「4-3-3」 清水を待つのは落とし穴?|柏 3-1 清水
【昇格プレーオフドキュメント】「5トップ」と「走力」の結実――2012年・大分

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ