中村氏が前回ゼネラルマネジャーを務めていた2007年、浦和は４試合を残して３位の鹿島に勝点８差をつけていた。浦和があと１勝すれば優勝というシチュエーションに持ち込みながら失速。逆にオリヴェイラ監督の率いる鹿島が９連勝し、最終節で逆転優勝を許した。

「（2007年の逆転優勝の）印象が強烈に残っています。勝負強さを感じています。逆境、困難な状況から結果を残しているところはすごいなと。今のチーム状況を、大槻監督が建て直し、さらに加速してくれると期待しています」

　そのように中村GMは期待を込めた。

　オリヴェイラ新監督の今後の日程は、４月20日に来日し、21日のJ１リーグ９節のホームで開催される北海道コンサドーレ札幌戦を視察。22日の全体練習から合流し、25日のアウェーでの10節・柏レイソル戦から指揮を執る。

　2007年から11年まで鹿島でJリーグ３連覇を達成するなど、確かにオリヴェイラ氏の「実績」は十分だ。強い浦和レッズを取り戻したい、という想いは感じられる。

　一方で、あくまで「結果」にこだわり、クラブがどのようなチームを構築していきたいのか。そのあたりのビジョンが感じられないのは、少なからず気になるところ。オリヴェイラ氏がここ最近はブラジルや中東で「結果」を残せていないのも事実だ。７年ぶりにJリーグへ復帰するオリヴェイラ監督。まずはどのような指針を示すのか耳を傾けたい。

取材・文●塚越 始