【セルジオ越後】後半の1点は慰めにもならない。力負けの完敗を真摯に受け止めるべきだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年11月11日

今の日本は、勝って自信をつけるより、負けから学ぶことのほうが多い。

ネイマールを中心とするブラジルの分厚い攻撃に日本は翻弄された。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 これが3人交代の試合だったら、もっと大変なことになっていたかもしれない。日本は5人もイエローカードをもらったんだ。1試合で5枚は、今までなかったんじゃないかな。このカードの数で、どれだけ無理をしたかが分かるよね。真剣勝負だったら、警告を受けた選手にネイマールが意識的に向かってきて退場に追い込まれたかもしれない。そうなったら、さらに圧倒されていただろう。
 
 今回のブラジル戦に本田や香川、岡崎がいても、結果は変わらなかったと思うよ。これで次のベルギー戦に負けたら、メディアで彼らの名前が挙がってくると思うけど、根本的な問題は同じだからね。要はタレントの質なんだ。ハリルホジッチ監督になってから初めて強豪国と対戦し、当たり前の結果が出た。もっと早くこういう試合をしていれば分かっていたはずなんだけどね。
 
 過去を振り返れば、アジアレベルではどの監督も勝ち越している。ハリルホジッチ監督は、オーストラリアに勝ったことや予選首位通過をアピールしていたけど、それらはノルマと言えるものなんだよ。
 
 日本がワールドカップで上位進出を狙うなら、ブラジルのような強豪にも勝っていかなくてはならないけど、4年に1回やってもなかなか勝ち筋なんて掴めない。もっとマッチメイクの努力をして、格上との対戦経験を増やさないと、いつまで経っても井の中の蛙のままでワールドカップを迎えることになる。
 
 前回のブラジル・ワールドカップの時も、本番でようやく世界との差を実感したよね。結局、今回も繰り返しになるのかな。4年間のプログラムが、機能していない気がするよ。アジアやワールドカップに出場しない国に勝っているだけでは、自分たちの力なんて分かりはしない。監督が変わっているだけで、やっていることは4年前や8年前から進歩していないよね。
 
 マッチメイクには、お金をかけていいんだ。今の日本は、勝って自信をつけるより、負けから学ぶことのほうが多い。それは何年も前から分かっているのに、改善されないのが本当に残念だ。
 
 でも、また3月に勝てる相手とやって、期待を背負ってロシアに向かって行くんだろう。レベルが上がってきたと言われているけど、世界とのトップクラスとの差は縮まっていない。それを自覚するべきだよ。
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