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【小宮良之の日本サッカー兵法書】代表に不可欠な存在、長谷部誠。その不在を想定しておくべし!

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年09月13日

同じ適性のバックアッパー探しが急務だ!

2人分、3人部の働きを見せる、アンカーの最高峰、ブスケッツ(左端)。今シーズンは攻撃でも例年以上に存在感を示している。作ろうと思って作れる選手ではないが、日本サッカーはこのポジションの適性を持つ者を探し出さなければならない。 (C) Rafa HUERTA

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 ほとんどのチームがダブルボランチというかたちでMFを並べ、ふたりが横並びでなおかつ縦関係も作り、攻守のバランスを取る。戦術としては運用しやすい。ふたりが中盤の底に並ぶことで、攻撃に入る時にだぶつく問題点はあるが、攻撃を受けた時は分担がはっきりし、綻びができにくいのだ。
 
 アンカーはひとりでボールを左右にはたくため、人のだぶつきが少なく、攻撃的にも立ち回れる。このかたちを最もうまく活用している筆頭がバルセロナだろう。
 
 一方、担当する選手の特性次第で「DFラインの前の“もうひとりのDF”」という守備強化にもなり得る。もっとも、アンカーの両脇は必然的に相手に狙われ、サウジ戦でもポジションをわずかに動かした瞬間に破られてしまった。
 
 アンカーを置いたシステムは、まずアンカーに差配する力が求められる。プレーインテリジェンスが必要条件で、このポジションではバルサのセルジ・ブスケッツが世界ナンバーワンだろう。ボールを失わないという信頼感でプレーを動かし、その攻勢によって守備でも先手を取れる。
 
 いずれにせよ、運用が難しいシステムであることは間違いない。
 
 ダブルボランチの方が、長谷部の不在の影響は小さいだろう。ただ、ダブルボランチでも長谷部のように“修正力”のある選手は、今の代表にはいない。つまり、否応なく長谷部不在の影響は出る。
 
 長谷部と同じ適性のバックアッパー探し――。
 
 それがロシアW杯に向け、ハリルジャパンの急務となる。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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