たった1本のシュートで連覇を手繰り寄せた久保建英「今日だけは喜びに浸っていたい」

カテゴリ:高校・ユース・その他

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年08月03日

「『時間』という点で目に見える成長を感じられた」

久保は「昨年は先輩たちに支えてもらっていたが、今年は自分がチャンスを作る」という意識でプレーしているという。写真:田中研治

画像を見る

 83分に小林がPKを冷静に流し込んで2-0。その後はスコアが動かずに主審の笛が試合終了を告げている。結果として、久保の先制ゴールが決勝点となった。
 
 チームにとって大きな得点だったわけだが、「ここ最近、結果がすべてだと思い知らされることが多かった」という久保にとってもある意味で重要なものだった。
 
「今日はシュート1本でしたけど、しっかりと決められました。1点は1点。良い意味で『結果がすべて』だったのかなと思っています」。FWとして勝利に直結する働きをした――。その自負が、その言葉を選ばせたように思う。
 
 U-20日本代表に飛び級招集されて臨んだ5月のU-20ワールドカップでも、プロに混ざって参戦しているJ3でも、今大会でも、不本意だと感じ入るプレーがあったのだろう。「ゴールが、アシストが」と周りに言われることで忸怩たる想いも抱えただろう。
 
 注がれる視線に負けず、周囲からの期待に飲み込まれず、久保は「結果」で測られる世界において、望まれるような「結果」を出した。「持っている」などという簡単な言葉で絶対に括ってはならない。彼の成長の証であり、努力の結晶なのだ。
 
「昨年、自分は決勝の舞台に20分ほどしか出場していません。それが今年はフルで出ることができた。そこは明らかに『時間』という点で目に見える成長を感じられました。
 
 あとは試合のなかで先輩たちに支えてもらって、作ってもらったチャンスで自分が仕掛けるという形が昨年の自分でした。ただ今年は、自分がチャンスを作るという意識でプレーしてきました。得点の取れない試合もありましたが、決勝で取れて良かったと思います」
 
 最後の最後、久保は今後の目標を問われた。数秒考えて、こんな気持ちを口にしている。「今後の目標を決めてはいませんが、毎日一生懸命にやっていれば何か壁にぶつかるでしょうし、目標も出てくると思います。ただ今日は、今日だけは喜びに浸っていたい」
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

【日本クラブユース選手権決勝PHOTO】久保の決勝ゴールでFC東京U-18が2連覇!
【関連記事】
久保建英は、具体的に何が凄いのか? 今さら聞けない逸材の真価とは
才能だけで久保建英は生まれない。元バルサ育成指導者が日本の状況に覚えた違和感とは
【クラブユース選手権】久保建英が決勝弾! FC東京U-18が貫禄の連覇
久保建英&堂安律に続け!! センス溢れる「左利きヤングアタッカー10選」
中村俊輔、遠藤保仁、小野伸二…を超える「最も衝撃を受けた」と鈴木啓太が引退記者会見で明かした“意外”な選手とは?
異例コーチ陣わずか3人! 大ベテラン平川が語った、今、浦和のためにできること

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ