【高円宮杯】清水ユースの至宝、平墳迅を覚醒させた「4つの初体験」とは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2017年07月17日

「強引にでもシュートを撃たないといけない」。

平墳の成長に目を細める平岡監督。アタッカー陣が牽引する清水ユースは、前半戦を終えたプレミアEASTで首位をひた走る。写真:松尾祐希

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 まず、春先にゼロックス・スーパーカップの前座試合として行なわれた高校選抜対Jユース選抜戦で、初めて県選抜以上のチームに抜擢招集された。続けて、清水ユースのドイツ遠征で初めて海外クラブとの試合を経験。そして3つ目が、急転直下のトップデビューだ。開幕前のキャンプに帯同していた平墳は、4月12日のルヴァンカップ・コンサドーレ札幌戦でプロのピッチに立った。
 
 確かな手応えと自信を掴むと、プレミアでは開幕から得点を量産。そのハイパフォーマンスはU-18日本代表スタッフの興味を引き、6月のポルトガル遠征でついに初招集。わずか半年の間に、次から次へと未踏の領域に踏み込んだ。眠っていた潜在能力を開花させたのである。「海外の選手やプロは寄せの速さなんかが高校生と全然違うけど、トップや代表の試合を経験したことで余裕が出てきた」と、手応えを口にした。
 
 進化の過程をつぶさに見守ってきた平岡宏章監督は、こう話して目を細める。
 
「Jリーグ選抜の一員としてほんの短い時間でしたけど、ピッチに立った。そういう選抜チームに入ること自体初めてでしたからね。その後にチームでドイツ遠征を行ったんですが、まだパスポートも持ってませんでしたから。トップチームでも代表チームでも懸命にプレーしているでしょう。その期待に応えたいという気持ちが、成長を促しているのだとも思います」
 
 いまではチームメイトの滝も、「収める時に収められるし、シュートの精度も上がっている。レイソル戦でも2点を取ってくれたけど、レベルの高いところで経験を積んできたからか、シュートかパスかの判断のところがすごく良くなったと思う」と称えた。
 
 平墳の真価が問われるのは、対戦相手のマークがさらに厳しくなるこれからだ。だが、ストライカーの逸材に迷いはない。7月23日に開幕する日本クラブユース選手権や、プレミアの後半戦に向けて、こう言い切る。
 
「点を取るためには悩まず、強引にでもシュートを撃たないといけない。迷うとダメなんです。監督にも言われるのですが、迷うと判断が遅くなってしまって、ゴールを狙えなくなる」
 
 清水ユースが誇る、スケールの大きな点取り屋。高校生活最後の夏を経て、さらなる進化を遂げるか。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
 
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