【東京V】ついに首位奪取! ヴェルディ改革の仕掛け人が明かす「躍進の舞台裏」

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年04月06日

始まりは、ロティーナ自身の売り込みだった。

育成現場やJ1クラブでの指導、さらには強化責任者としての蓄積。竹本GMの豊潤な経験が、ヴェルディ改革を前進させている。(C)SOCCER DIGEST

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 竹本GMがヴェルディに戻ってきた2014年9月、チームは残留争いの只中にいた。すでに移籍マーケットは閉じられており、選手補強は叶わない。新たな指導陣とともに現有戦力でいかに難局を乗り切るか。そのことだけに注力したという。
 
「自分の知っているヴェルディは、つねにJ1で優勝争いをしている上位チームだったけど、戻ってみればJ2での戦い、しかもJ3への降格阻止という状況でね。新しいスタッフや自信を失なっていたチームに新しい風を吹かすにはどうしたらいいか。ベテランの中後(雅喜)や平本(一樹)の再生であったり、若手の気持ちを整理させて、前を向かせるためにどう導いていくか。そういったところに力を尽くしました。ほとんどスタッフの感覚ですよね」
 
 そのシーズン、チームは辛くも残留を果たしたが、2015年は8位、2016年は18位と、J1昇格の悲願は遠のくばかり。そして、GMは決断を下した。新たなスタイルの構築を睨んだ政権交代と、即戦力の積極補強による、チームの大々的な刷新だ。
 
「冨樫(剛一)体制でJ1昇格を狙っていたんですが、内容と結果が困難な状況だったんで、クラブとしては次の一手を考えなきゃいけない。2020年の東京オリンピックに向けても、東京のクラブとしてJ1に昇格したいという強い気持ちがあります。ではどういう監督像、指導内容やスタイルがヴェルディに合っているのか。国内外を問わず、人選を進めていました。南米やブラジルの血を引いてきたヴェルディだけど、海外ならスペインでも面白い。日本のサッカーに近いですから。そんなことを考えていた矢先、たまたまタイミング良くあちらから話が来たんですよ」
 
 始まりは、ロティーナ自身の売り込みだった。日本サッカー界での仕事に魅力を感じ、フリーの身だった59歳が、熱心にラブコールを送ってきたのだ。驚いたことにその時点で、スペイン人指揮官は2016年シーズン後半のヴェルディのゲームをすべてチェックしていたという。
 
 すぐさまコンタクトを取った竹本GMは「会ってみて人間的に素晴らしく、野心を持っている方だと分かった」と感銘を受け、羽生英之社長ら上層部と話し合い、「よし、ここで舵を切ろう」と即決した。
 
 ちなみに今冬の選手補強について、ロティーナの意見は反映されていないという。
 
「監督探しと補強は同時進行でしたからね。昨シーズンの終盤にチームを分析したとき、どこが弱点かをよくよく考えた。ボランチにセンターバック、キーパー。いずれも補強が必要だと。そのなかで、ヴェルディらしさを持った選手を獲りたい。ゲームが読めて、テクニックが高く、そこに経験があればなおいい。補強自体はじつにスムーズに進みましたね。ロティーナはヴェルディのサッカーもこちらの考えもよく理解してくれていました」
 
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