【ミラン番記者】本田圭佑は「帰属意識」を失った? それでも出番があればきっと…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年02月17日

観る者を幻滅させるシーンだった。

このポーリは本田のよき理解者の一人で、試合前後には談笑しているシーンも見られる(C)Getty Images

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 そう考えれば、本田のハグには説明がつく。ボローニャ戦の勝利は、「二軍選手」たちの勝利でもあったのだ。ポーリがミランに加入したのは2013年だが、屋台骨となるイタリア人グループの一人。彼らは2014年1月に本田が移籍してきた当初から、チームに馴染むのを手助けしてきた。リッカルド・モントリーボやイニャツィオ・アバーテとともに背番号10の良き理解者だったのだ。実際、ポーリは試合後、本田についてこう語っている。
 
「彼は僕たちのことをとっても気に掛けている。彼にも貢献できるチャンスが来ることを願っている」
 
 私がこのエピソードを紹介したのは、もちろん“イイ話”だからであるが、同時に本田の複雑な心の内を物語っていると思ったからだ。
 
 セリエAでは8試合連続で出番なしと、プレーチャンスの少ない本田は、今やミランへの帰属意識を感じることが難しくなっているのではないのだろうか?
 
 そう、実はこの話にはまだ続きがある。本田はポーリをハグした以外は、モンテッラをして「一大叙事詩」とまで言わしめた歴史的勝利を仲間と一緒に祝っていないのだ。
 
 試合後、ほぼすべてのスタッフと選手がピッチになだれ込み、勝利を祝った。本田は歩いてポーリに近寄ってハグをしたあと、さっさとロッカールームに帰って行った。チームメイトたちがアウェーまで駆けつけたファンの目の前に行って、喜びを分かち合っているのには目もくれず……。
 
 観る者を幻滅させるシーンだった。本田がシャイで、自分の感情をあまり表に出さないことは我々もよく知っている。しかしもし本田が今シーズン、もう少しプレーしていたならば、彼の反応は違ったのではないか。きっと仲間と共にピッチに残り、勝利を祝っていたはずである。
 
 しかし、残念ながら本田がプレーするのは、今後より難しくなってきそうだ。ボローニャ戦とラツィオ戦では、改めて本田がモンテッラの頭の中に存在しないことがはっきりと見て取れた。
 
 まずジェラール・デウロフェウは、1月に加入したばかりであるにもかかわらず、すでにモンテッラにとって不可欠な存在になりつつある。ボローニャ戦ではパシャリッチの決勝ゴールに繋がるドリブルとアシストでミランを救った。そのボローニャ戦で途中から入ったCFでのプレーを気に入った指揮官は、ラツィオ戦で同じく“偽の9番”としてこの逸材を起用している。
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