大量10選手を戦力外、名古屋の大胆な人員刷新は成功するのか

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2016年11月26日

代表監督は、チームを作り直すために明確な基準を持ち込んだ。

写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 だからこそ新チームには、明確な基準を持つ監督の指導力が不可欠なの だ。また、それによって生じる軋轢を修復するクラブやスタッフの労力、あるいはキャプテンの存在も重要になる。
 
 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、チームを作り直すために、明確な基準を持ち込んだ。デュエルと縦の速さを求め、そのために体脂肪率を一定以下に保つこと、所属クラブで試合に出続けることを要求した。それに応えられなかった選手は、招集メンバーから外れたり、あるいは出場時間が短くなったりと、影響が出ている。

 圧倒的な存在感のあるザックジャパンの主力メンバーを、競争を促して新戦力に刷新してきた仕事ぶりは、この監督の強いパーソナリティと明確な基準がなければ成立しない。ストレートで遠慮のない言葉で嫌われ役になったが、短期間でチームを作り直すには、それくらいの軋轢に耐える覚悟が必要だ。
 
 そのような指導力のある監督と契約できればいいが、親会社の影響力が強いクラブほど、サッカーの判断ではなく、人脈の判断になりがちだ。
 
 もちろん、親会社の影響力が強いことを否定はしない。例えば今季のブンデスリーガでは、レッドブルが買収した下部リーグのRBライプツィヒが7年で1部昇格を果たし、バイエルン・ミュンヘンを追う快進撃を見せている。

 このクラブは親会社の強い影響下にあるが、ラルフ・ラングニックという戦術家として有名な指導者をSDに迎え、全権を預けてきた。ボールを奪って8秒以内に攻める戦術、若手を探すスカウティング方針、チーム内の厳しい規律の設定など、ラングニックのマネジメントがなければ、歴史のないクラブが短期間で急成長を成し遂げることはできなかった。
 
 サッカーを熟知したSDが、全権を得て、指導力のある監督と契約し、サポートしていくこと。それ以外に、大ナタ改革を成し遂げる道はない。

文:清水英斗(サッカーライター)
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