新戦力でシーズンを通してプレーしたのはイ・ボムヨンとキム・ヒョヌンのふたりだけ。新戦力のほとんどがコンディション不良等を理由にシーズンをフルで戦うことができず、イ・ボムヨンでさえ、言葉の壁に悩まされて本来の力を発揮できなかった。
 
　また、選手層の薄さもチームに大きな影を落とした。その過程はともかく、結果として、チーム編成は失敗だったと言わざるを得ず、強化部の組織と役割は従来通りではあるが、チーム編成の考え方、最終判断等の部分で、カルロス氏が影響力を持つことは間違いない。
 
　来シーズンのチーム編成については、川森社長は「来年と言うよりも、再来年を見据えて、来年を勝ち切ってＪ１に上がり、そのチーム構成でＪ１へ行けるくらいの編成をしたい」と話しており、カルロス氏のアドバイスの下、ドラスティックなチーム編成が行なわれることが予想される。
 
　そして、「選手はお金で選ぶものではない。慌てて、ドタバタと補強をしても良い結果は得られない。福岡というチームフィットするのかどうか、しっかりと自分の目で見て判断したい。急がなくてはならないことは分かっているが、ただ、慌てることだけはしたくない」とカルロス氏は話す。果たして、どのようなチーム編成が行われるのかに注目したい。

文：中倉一志（フリーランス）