【名門訪問】市立船橋|三冠を狙うインターハイ王者、その強さの秘密に迫る

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年10月26日

着火できる存在が数多いる

左からMF高、DF杉岡、DF原のプロ入団内定トリオ。いずれもプレーとメンタルの両面でチームを牽引できる中軸だ。写真:安藤隆人

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 朝岡監督は続ける。

「なにかを変えて、いきなりチーム力がアップすることはない。いろんな要素のパーセンテージをすべて上げることで、チームとして10㌫、20㌫の伸び率が生まれると思うんです。インターハイでは新しい戦力である郡司が台頭した。(FWの)村上(弘有)と(DFの)金子(大毅)の成長は大きいし、高、杉岡、(DFの)原(輝綺)の3人からは自覚と責任感が伝わってくるようになった。だからこそ、2巡目の突き上げがほしい。これなくしてチームの成長はないと思っていますから。このチームには大きなポテンシャルがある。3年生に優秀な選手が揃っていて、韓国遠征でもミーティングのときに、こちらが要求したことに対して改善する姿勢を見せてくれた。逆に3年生がすごくしっかりしているぶん、2年生はまだ一歩引いていて、3年生の顔色を見ている部分がある。そこをもっと引き出していきたいし、彼らが自分たちで火をつけないといけない」

 競争心に火がつく、その兆候はさっそく見て取れた。

 プレミアリーグEAST後期の開幕戦、アルビレックス新潟U-18戦では、高が1得点・1アシスト、郡司が1得点の活躍を見せ、2-1の勝利を収めた。続く第11節の横浜F・マリノスユース戦では、2―3の黒星を喫したものの、0―3という劣勢から2点を返したのは、1年生MFの佐藤圭祐だった。来春、アルビレックス新潟に入団する原は、「自分たちがインターハイ覇者だというところを、一度頭のなかでリセットして、あらためて地に足をつけてやる。危機感はあるけど決して臆することなく、あくまで前に進むことが大事ですね」と語る。

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 8月25日。彼らはたしかにリスタートを切った。敵は己に有り――。指揮官の熱い想いが込められた檄は、少なからず選手たちの心に響いたのだ。

「一戦一戦、しっかりと戦う。プレミア前期もインターハイもこの気持ちでやったからこその結果。僕らはその意識で戦わないとダメなんです。変に先を見ずに、コツコツと積み上げる。やるべきなのは監督や周りではなく、自分自身なんです。それをみんなに気付かせられる存在になりたい」(杉岡)

「もっともっと本気を出してやらないといけないし、周りを巻き込む選手をもっと増やしたい。僕自身もより強く意識して取り組みます」(高)

「もっと自分から周りを巻き込みながら、やるべきことをきちんとやる。周りに『これくらいやらないとダメだよ』と示したい」(原)

 着火できる存在が数多いる。彼らの熱が全体に波及し、チームを突き動かす駆動力となる。これが、市立船橋の強さの最大の要因だろう。
 
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