トップ下&ボランチ|安泰ではない香川のトップ下。柴崎は期待値を含めて評価したい
このエリアで最初に触れなければならないのは、香川の不出来だろう。トップ下で出場した背番号10は、シリア戦の前半以上に出来が悪く、後列からボールを引き出せないどころか、バイタルエリアで相手のマークを外すことすらできなかった。シリア戦では距離感が良くなった後半に持ち直したものの、イラク戦ではそうした修正もなく沈黙。ミスを繰り返してチャンスの芽を潰す場面しか取材ノートに記されていない。
ハイプレッシャーやハイスピードのなかで力を発揮するのが、本来の香川の持ち味のはずだ。なぜそれが、代表チームではコンスタントに披露できないのか。結局は、周囲の力を借りなければ輝けない選手だと、指揮官に判断されても不思議ではない。
途中出場の清武がまずまずのプレーを見せていただけに、なおさら香川の不振は際立つ。「芝があまり良くなかったから、ドリブルよりワンタッチをどんどん使おうと思っていた」と簡単にボールを叩いてカウンターにつなげた清武は、セットプレーでも何本か精度の高いクロスを供給しており、飛び道具の有効性も印象付けている。後半の出場で相手のプレッシャーが緩かった点は差し引くべきだが、香川以上に攻撃に貢献したのは動かしがたい事実だ。
先のシリア戦の終盤には本田もトップ下でプレーする場面があり、ハリルホジッチ監督はバリエーションを増やそうとしているようにも映る。いずれにせよ、香川のトップ下が安泰ではないのは確かで、より一層の奮起が求められるところだ。
5試合ぶりに先発した柴崎は、東アジアカップで務めたトップ下ではなく、ボランチで長谷部と組んだ。これは評価が分かれるところかもしれないが、ワンタッチの縦パスで変化をつけようとした点を、期待値も含めて評価している。
相手のプレスを受けて攻撃が停滞するなか、柴崎は献身的に前線をサポートしつつ、時に裏のスペースを狙ったロビングで武藤を走らせていた。呼吸が合わなかったためにチャンスには結びつかなかったが、注目すべきはパスを出すタイミングやセンスだ。
これは長谷部や山口にはない部分で、本田が言う「距離感を近くした」攻撃では有効なアクセントになる。巧みなサイドへの展開で幅をもたらした柏木もアピールには成功したが、このレフティについて言えば年齢が気になるところ。3年後のロシア・ワールドカップを見据えた場合、より期待値が高いのは柴崎のほうだろう。確かにフィジカル面に課題を抱えているものの、より多彩な攻撃を目指すうえでは、柴崎の成長にかけるのもひとつのアイデアだ。
ハイプレッシャーやハイスピードのなかで力を発揮するのが、本来の香川の持ち味のはずだ。なぜそれが、代表チームではコンスタントに披露できないのか。結局は、周囲の力を借りなければ輝けない選手だと、指揮官に判断されても不思議ではない。
途中出場の清武がまずまずのプレーを見せていただけに、なおさら香川の不振は際立つ。「芝があまり良くなかったから、ドリブルよりワンタッチをどんどん使おうと思っていた」と簡単にボールを叩いてカウンターにつなげた清武は、セットプレーでも何本か精度の高いクロスを供給しており、飛び道具の有効性も印象付けている。後半の出場で相手のプレッシャーが緩かった点は差し引くべきだが、香川以上に攻撃に貢献したのは動かしがたい事実だ。
先のシリア戦の終盤には本田もトップ下でプレーする場面があり、ハリルホジッチ監督はバリエーションを増やそうとしているようにも映る。いずれにせよ、香川のトップ下が安泰ではないのは確かで、より一層の奮起が求められるところだ。
5試合ぶりに先発した柴崎は、東アジアカップで務めたトップ下ではなく、ボランチで長谷部と組んだ。これは評価が分かれるところかもしれないが、ワンタッチの縦パスで変化をつけようとした点を、期待値も含めて評価している。
相手のプレスを受けて攻撃が停滞するなか、柴崎は献身的に前線をサポートしつつ、時に裏のスペースを狙ったロビングで武藤を走らせていた。呼吸が合わなかったためにチャンスには結びつかなかったが、注目すべきはパスを出すタイミングやセンスだ。
これは長谷部や山口にはない部分で、本田が言う「距離感を近くした」攻撃では有効なアクセントになる。巧みなサイドへの展開で幅をもたらした柏木もアピールには成功したが、このレフティについて言えば年齢が気になるところ。3年後のロシア・ワールドカップを見据えた場合、より期待値が高いのは柴崎のほうだろう。確かにフィジカル面に課題を抱えているものの、より多彩な攻撃を目指すうえでは、柴崎の成長にかけるのもひとつのアイデアだ。