センターフォワードとしてここまで機能するとは、まったくの予想外だった。
実際、1-2で敗れた9月13日のシャルケ戦(ブンデスリーガ4節)でも、武藤は両チームを通じて最高のFWだった。
武藤がドリブルでの突破力とゴールセンスに優れたウイングということは、入団当時から一目瞭然だった。
しかし、巨漢DFたちがハードに寄せてくるブンデスリーガにおいて、179センチの武藤がセンターフォワードとしてここまで機能するとは、少なくとも私にとってまったくの予想外だった。
もう少し運があれば、チャンスメークにフィニッシュにと暴れ回った武藤の活躍によってマインツは、少なくともシャルケと引き分けには持ち込めただろう。
武藤はこの試合で総走行距離が10.9キロ、スプリントが34本、ファストランが69本を記録。マークの厳しいセンターフォワードとして申し分ない数字が、貢献度の高さを如実に物語る。
70分すぎまでほとんどボールを支配されるなど、マインツは苦しい試合を余儀なくされたが、それでも武藤は敵陣のデッドスペースを探し出してフリーになり、パスを受ければしっかりと役割を果たしていた。
もちろん課題もある。例えば、敵のビルドアップを遮断するプレッシングだ。現状では、縦の2トップのような形を組むユヌス・マッリとの意思疎通が完璧とは言えない。
しかし、心配無用だろう。マルティン・シュミット監督は試合後、こう語っている。
「素晴らしいのは、ヨシを鼓舞する必要が全くないことだ。とても多くのことが、彼自身から溢れ出てくる。彼の中からね」
モチベーションに溢れ、インテリジェンスも備えた武藤は、その課題もあっという間に自らで克服してしまうことだろう。
文:ラインハルト・レーベルク 「マインツァー・アルゲマイネ新聞」コラムニスト
翻訳:円賀貴子
Reinhard REHBERG
ラインハルト・レーベルク
『ライン新聞』で1987年から27年に渡ってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、『マインツァー・アルゲマイネ新聞』のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。
武藤がドリブルでの突破力とゴールセンスに優れたウイングということは、入団当時から一目瞭然だった。
しかし、巨漢DFたちがハードに寄せてくるブンデスリーガにおいて、179センチの武藤がセンターフォワードとしてここまで機能するとは、少なくとも私にとってまったくの予想外だった。
もう少し運があれば、チャンスメークにフィニッシュにと暴れ回った武藤の活躍によってマインツは、少なくともシャルケと引き分けには持ち込めただろう。
武藤はこの試合で総走行距離が10.9キロ、スプリントが34本、ファストランが69本を記録。マークの厳しいセンターフォワードとして申し分ない数字が、貢献度の高さを如実に物語る。
70分すぎまでほとんどボールを支配されるなど、マインツは苦しい試合を余儀なくされたが、それでも武藤は敵陣のデッドスペースを探し出してフリーになり、パスを受ければしっかりと役割を果たしていた。
もちろん課題もある。例えば、敵のビルドアップを遮断するプレッシングだ。現状では、縦の2トップのような形を組むユヌス・マッリとの意思疎通が完璧とは言えない。
しかし、心配無用だろう。マルティン・シュミット監督は試合後、こう語っている。
「素晴らしいのは、ヨシを鼓舞する必要が全くないことだ。とても多くのことが、彼自身から溢れ出てくる。彼の中からね」
モチベーションに溢れ、インテリジェンスも備えた武藤は、その課題もあっという間に自らで克服してしまうことだろう。
文:ラインハルト・レーベルク 「マインツァー・アルゲマイネ新聞」コラムニスト
翻訳:円賀貴子
Reinhard REHBERG
ラインハルト・レーベルク
『ライン新聞』で1987年から27年に渡ってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、『マインツァー・アルゲマイネ新聞』のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。