【サッカーダイジェストの視点】例えば香川外しは現実的な選択肢か

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年09月04日

今の日本代表は指揮者不在のオーケストラ。

カンボジア戦でノーゴールだった岡崎。左右からのクロスにドンピシャで合わせたシーンはなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 もちろん、攻撃陣の停滞は香川だけに責任があるわけではない。

 カンボジア戦では、無得点だった岡崎や武藤の出来も良くなかった。いずれにせよ、現行のメンバーで上手くオフェンスが機能しなかったのだから、次のアフガニスタン戦ではアウェーといえども違うユニットを試していいはずだ。
 
 日本にとって、ワールドカップ・アジア2次予選の山場はともにアウェーで臨む10月8日のシリア戦と11月12日のシンガポール戦。そこまでに解決策を見出す意味でも、アフガニスタン戦はチャレンジの場とすべきではないか。
 
 仮にチャレンジしてアフガニスタンに不覚を取れば、今の日本にはそこまでの実力しかなかったということだ。もしかすると、このあたりで黒星を喫して、チーム作りを一度見直したほうが将来を見据えるといいかもしれない。
 
 避けたいのは、攻撃面の課題をクリアせずに2次予選を突破してしまうことだ。アジアの強豪国が出揃う最終予選には、できればチームの完成形がある程度見えた形で臨みたい。
 
 今の日本は、いわば指揮者不在のオーケストラ。個々の能力でゴールをこじ開けているに過ぎず、重厚感溢れるアタックはほぼ皆無である。
 
 カンボジア戦のようにサイドからクロスを頻繁に上げるなら、例えば新潟の指宿(195センチ)のような大型CFを最前線に置く。単に欧州組を並べるのではなく、戦術にマッチした人材を起用するやり方で攻撃の形を作り出してもいいだろう。
 
 おそらく形さえ見えれば、チャンスは増えるだろうし、シュートの精度を問わないほどの決定機にも恵まれるはずだ。
 
 カンボジア戦後の会見で、ハリルホジッチ監督は「今後、どのような分野を伸ばさなければいけないかを、私は完璧に知っているつもりだ」と言った。どこかまったりとした日本代表の戦い方に“喝”を入れるためにも、有言実行を願いたい。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
 
 
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