【連載】識者同士のブンデス放談「ペップのバイエルンにどんな進化を期待する?」

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2015年05月28日

ボール近くに極端に人数を割くレバークーゼン。

プレッシングと縦に速いサッカーが目を引いたレバークーゼンは、ボールサイドにチーム全体をスライドさせる戦い方が特徴的だった。 (C) Getty Images

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 ドイツ代表のスカウティングチーム『チーム・ケルン』の一員として、ブラジル・ワールドカップ優勝に陰ながら貢献した浜野裕樹氏を迎えた今回は、戦術について掘り下げた。
 
 最先端の戦術を日夜研究してきた浜野氏の目に留まったチームは――。
 
――◆――◆――
 
遠藤孝輔:昇格/降格プレーオフを残し、ブンデスリーガの全日程が終了しました。バイエルンはもちろん、日本ではレバークーゼンのサッカーも注目を集めました。浜野さんの目を引いたチームは?
 
浜野裕樹:そのレバークーゼンに加え、グラッドバッハ(ボルシア・メンヘングラッドバッハ)とバイエルンです。
 
遠藤:レバークーゼンはプレッシングと縦に速いサッカーが特徴です。具体的に興味を引かれた部分は?
 
浜野:ボールに対する選手のポジショニングです。これはロジャー・シュミット監督がザルツブルクを率いている頃から見られました。
 
 ボールの近くに極端に人数を割くことにより、プレッシングと縦に速いサッカーを機能させていると思います。顕著だったのは他のチームに比べ、ボールサイドにチーム全体をスライドさせる意識です。
 
遠藤:ボールの近くに極端に人数を割けば、当然ながら他の場所に大きなスペースが生まれます。
 
浜野:おっしゃる通りです。例えば、右サイドに大きくスライドしすぎた場合は、左サイドに大きなスペースが生まれます。レバークーゼンは被シュートの実に60パーセントを枠内に撃たれています。
 
 その要因として考えられるのは、相手に上手くサイドチェンジされた際に後手に回りやすく、シュートまで容易に持ち込まれていたことです。
 
遠藤:諸刃の剣という印象もあったその戦術のブラッシュアップは可能でしょうか? プレッシングの連動性、速さをさらに高めるのがひとつの方法として思い浮かびますが。
 
浜野:シュミットが監督であるかぎり、今後も同じ戦術を採用するはずです。同じ戦術でさらなる高みを目指すには、むしろ「オプション」の必要性を感じます。
 
 その理由を説明するうえで、格好のサンプルと言えるのが、CLのアトレティコ戦でしょう。PK戦で決着したとはいえ、試合巧者だったのはアトレティコでした。その理由はプレスのインテンシティを使い分けていたからです。
 
遠藤:プレスに強弱をつけていたということでしょうか?
 
浜野:それはもちろん、相手をいなすことで試合のリズムにメリハリをつけることに成功していました。同時にメリハリをつけることによって選手の体力回復を図り、次のプレスへの準備を整えていた印象です。
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