【日本代表│考察】「縦に早いサッカー」に、果たして本田と香川はフィットするか

カテゴリ:日本代表

五十嵐創(サッカーダイジェスト)

2015年03月28日

先発6人が20代半ばのロンドン五輪世代で、平均年齢は25.6歳と若返る。

縦に早いサッカーにどのように対応し、そしてどのような新たな本田スタイルを見せてくれるのか。それも楽しみのひとつだ。 (C)SOCCER DIGEST

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 ハリルホジッチ監督の初陣は、多分にパフォーマンスの要素もあったのだろう。

 メンバー発表の記者会見で「ロシア・ワールドカップを目指したチーム作り」と明言したとおり、チュニジア戦では3年後を見据えた大胆な世代交代を断行した。
 
 スタメンのうち、30歳以上は長谷部のみ。6人が20代半ばのロンドン五輪世代で、平均年齢は25.6歳と以前よりも若返った。これから脂の乗ってくる中堅に自覚を促し、個々の成長とともに、チームを上昇曲線に乗せていこうという意図は伝わってきた。
 
 そうした分かりやすい“PR”に加え、早くも戦術面でアギーレ体制時からの変化が見て取れたのも見逃せない。「日本に少し足りない縦へのスピード」や「球際の強さ」などの「いくつかの改善点」に、真っ先に指揮官はメスを入れていたのである。
 
 特に印象深かったのが、「縦への意識」だ。
 
 試合後のミックスゾーン(選手が記者の取材に応じるゾーン)で、ほとんどの選手がこの言葉を口にした。川又は言う。
 
「縦を意識した速いカウンターが(狙いの)ひとつ。今日のスタメンを見ても、走れる選手ばっかりだったから、そういう部分のプレーと遅攻をミックスできたら一番良い」
 
 川又の言う「そういう部分」とは、推進力を備えた選手の特長を活かして、手数をかけずに攻めきってしまう形だ。
 
 スピードのある永井と武藤をサイドに配置したのはこのためだ。特に右サイドの永井は裏のスペースを狙って何度も動き出し、呼応するように右SBの酒井宏は縦パスを供給していた。
 
 実際には、「ボールを奪ってから最初のパス精度が十分とは言えず、ボール奪取後に短いパスを使いすぎかなとも感じる。もっと長いパスで狙いたいと思う」(ハリルホジッチ監督)と機能したとは言い難かった。
 
 ただ同時に指揮官は「スタートから勇気とやる気を見せてくれた」と、チームとしての狙いを表現しようとした選手たちに、一定の評価を与えていた。

 始動間もない現時点で、プライオリティは、“ミス”よりも“トライ”のほうが高い。その点では、新体制の一歩目しては、上々の滑り出しだったということだ。
 
 また、これまで中央に偏りがちだった崩しの形にも、変化が感じ取れた。サイドチェンジを多用し、ウイングへの縦パスが増えたのだ。
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