日本サッカー協会副会長の林義規氏に訊く。「プレミアリーグの方向性を決めないと、プリンスリーグや都道府県リーグも動きを決められなかった」
新型コロナウイルスの感染拡大で多くのイベントが影響を受けてきた。スポーツ界も例外ではない。サッカー界も厳戒態勢が続いており、6月27日から再開したJリーグはリモートマッチ(無観客試合)での開催を余儀無くされている。育成年代を見ても、公式戦はほとんど実施できていない。特に全国に跨った移動が多い高校年代は難しい状況に立たされている状況だ。
高体連は4月26日にインターハイの中止を決定。冬の高校サッカー選手権は開催の方向で動いているが、依然として予断は許さない。Jリーグの育成組織や街クラブのチームも7月中旬のクラブユース選手権が開催延期となり、秋のJユースカップは中止に追い込まれた。
その中で6月19日に大きな動きがあった。日本サッカー協会は4月3日に開幕予定だった高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグの中止を決定。今季は各地域のプリンスリーグにプレミアリーグ組を加える形で実施すると決めたのだ。
各大会の開催見送りや延期が相次ぐ中で苦渋の決断だったのは間違いない。では、水面下でどのような議論がなされ、2度の開幕延期の末に中止を決定したのか。日本サッカー協会副会長兼競技会委員長でもある高円宮杯実施委員長の林義規氏は今回の経緯をこう説明する
「4月の段階では新型コロナウイルスが収束すれば、選手たちにプレーの機会を与えられると考えていました。試合数が減っても開催できるのであれば、プレミアリーグは昇格と降格を設けた上でやるつもりだったんです。プレミアリーグの監督とはWEB会議を何度も開催しましたが、(緊急事態宣言が発令されていた4、5月は)1日、2日で世の中の状況が変わっていきました。一縷の望みを賭けて2度の開幕延期をしながら開催の可能性を探ってきた中で、9月以降であれば何とかできるのではないかとは思っていたんです。ただ、プレミアリーグは各県を跨ぐ移動を伴うので簡単ではありませんし、プレミアリーグの方向性を決めないと、プリンスリーグや都道府県リーグも動きを決められません。また、クラブユース選手権や高校サッカー選手権などとスケジュールを調整しないといけませんし、新たな形式でリーグ戦を行なうのであれば準備の時間も必要になります。したがって、8月下旬頃に開幕するのであれば、6月中旬までに開催の是非を決めないといけませんでした。その観点から中止を決断し、9地域のプリンスリーグにプレミアリーグのチームを絡ませる方式になったんです」
選手たちからすれば、残念な決定ではある。しかし、予防策や特効薬もない以上はリスクを負えない。難しい決断を迫られた中で、運営側が重視したのは“選手たちから公式戦を奪わないこと”だった。
高体連は4月26日にインターハイの中止を決定。冬の高校サッカー選手権は開催の方向で動いているが、依然として予断は許さない。Jリーグの育成組織や街クラブのチームも7月中旬のクラブユース選手権が開催延期となり、秋のJユースカップは中止に追い込まれた。
その中で6月19日に大きな動きがあった。日本サッカー協会は4月3日に開幕予定だった高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグの中止を決定。今季は各地域のプリンスリーグにプレミアリーグ組を加える形で実施すると決めたのだ。
各大会の開催見送りや延期が相次ぐ中で苦渋の決断だったのは間違いない。では、水面下でどのような議論がなされ、2度の開幕延期の末に中止を決定したのか。日本サッカー協会副会長兼競技会委員長でもある高円宮杯実施委員長の林義規氏は今回の経緯をこう説明する
「4月の段階では新型コロナウイルスが収束すれば、選手たちにプレーの機会を与えられると考えていました。試合数が減っても開催できるのであれば、プレミアリーグは昇格と降格を設けた上でやるつもりだったんです。プレミアリーグの監督とはWEB会議を何度も開催しましたが、(緊急事態宣言が発令されていた4、5月は)1日、2日で世の中の状況が変わっていきました。一縷の望みを賭けて2度の開幕延期をしながら開催の可能性を探ってきた中で、9月以降であれば何とかできるのではないかとは思っていたんです。ただ、プレミアリーグは各県を跨ぐ移動を伴うので簡単ではありませんし、プレミアリーグの方向性を決めないと、プリンスリーグや都道府県リーグも動きを決められません。また、クラブユース選手権や高校サッカー選手権などとスケジュールを調整しないといけませんし、新たな形式でリーグ戦を行なうのであれば準備の時間も必要になります。したがって、8月下旬頃に開幕するのであれば、6月中旬までに開催の是非を決めないといけませんでした。その観点から中止を決断し、9地域のプリンスリーグにプレミアリーグのチームを絡ませる方式になったんです」
選手たちからすれば、残念な決定ではある。しかし、予防策や特効薬もない以上はリスクを負えない。難しい決断を迫られた中で、運営側が重視したのは“選手たちから公式戦を奪わないこと”だった。