新連載!! 【指揮官コラム】チェンマイFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』

2015年01月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

“何が起こるか分からない”別世界にチャレンジをしに行く。

チェンマイFCとの仮契約を済ませたばかりの三浦新監督とクラブ会長のツーショット。果たして、どんな1年となるのだろうか。(C) SOCCER DIGEST

 2014年が終わりを告げ、2015年を迎えようとしている頃、僕「三浦泰年」はひとり、羽田空港から日本を発ち、タイのチェンマイに向かった。
 
 そして、1月1日の朝9時25分、僕はタイのチェンマイ空港に降り立った。長旅を終えたのも束の間、僕はさっそくハードスケジュールで動き回った。まずはショッピングモールでタオルを購入してタイ式マッサージを堪能。これはタイに来る前からぜひ試しておきたかった。さらに、チェンマイ料理のランチをとって、ホテルにチェックイン。現地日本人の方とコミュニケーションをとって情報交換などをした。
 
 そんなことをしていると、あっという間に夜になった。タイでは地上波でイングランドのプレミアリーグを見ることができる。食事をとりながら、試合を楽しんでいると、疲れがピークに達してしまい、僕は早々にベッドに横たわっていた……。
 
 と、こんなふうに書くと『いったい何しに、タイに行ったんだ?』、と言われそうだが、もちろん新天地は監督として指揮を執るチェンマイFCである。2015年、僕にとって大きなドアが開いたのである。
 
 単身でブラジル留学し、プロを目指したあの日から30年。ヴィッセル神戸で現役を引退して12年。早いもので、ユニホームを脱いでから干支が一周してしまった。
 
 海外で勝負することを選んだのは、僕自身の可能性を信じたからであり、またこの道で生きていくための工夫が欲しかったからだ。
 
 言葉や人種、民族が違えば、風習、習慣も当然違う。あるいは空気も匂いも違うことだろう。
 
 サッカーの世界であれば環境面はもとより、考え方や選手のレベルなどなど、日本では"当たり前"だったことが、そうではなくなるのだろう。
 
"何が起こるか分からない"
 
 そんな別世界にチャレンジ、トライをしに行く。僕は今、そんな心境だ。
 
 分かっているのは、このチャレンジは決して簡単ではないということ。数多くの困難が待ち受けているということだ。このコラムを楽しみにしてくれる方たちのためにも、このドアの先をしっかり進みたいと強く思っている。
 
 ところで、このコラムのタイトル『情熱地泰』。編集部の担当とも話したんだけど、やっぱり某民放局の番組のパクリっぽいかなあ……。ただ、このネーミングは確固たる理由があってのものなんだ。
 まずは、僕の名前に由来する部分。当然「泰」は、僕の名前とタイを掛けたものなんだけど、実は僕の名前は、名付け親である祖父によって「やすとし」ではなく、「たいねん」と命名される可能性もあったんだ。だから、2015年は、文字通り「泰(タイ)の年」になればいいなということで、タイトル文字のひとつに加えた。
 
 それとご存知の方も多いかと思うけど、タイはいま空前のサッカーブーム。イングランドのプレミアリーグが放送されているように、欧州サッカーも人気があるけど、国内リーグも凄い人気。トップリーグのタイ・プレミアだけじゃなく、僕が挑戦するディビジョン1(2部リーグ)もけっこうお客さんが入るらしい。
 
 昨年の12月にはタイ代表がスズキカップ(ASEAN諸国の国際大会)で12年ぶりに優勝して国中が大いに盛り上がったそうだ。そんなサッカーに懸ける情熱という意味でも、タイは勢いのある国なんだ。
 
 これから僕「三浦"泰"年」は、チェンマイFCの指揮官として、サッカーへの情熱に溢れたタイという国で新たなチャレンジを始める。その過程をピッチ内外の様々な視点から、皆様にお届けしようと思っている。
 
2015年1月1日
三浦泰年
 
今日の言葉
「現状維持は退化」
新しいことにトライするのは歳をとればとるほど臆病になる。だからこそ、現状で満足せずに、未来へチャレンジしていきたい。
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