ロナウジーニョだけじゃない!! 練習をサボる選手の様々な事情

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年12月23日

不満、だらしなさ、欲望、アクシデント…、そして“特権”!?

すでに米国MLSなど、次の行き先について憶測が流れているロナウジーニョ。メキシコへの寄港は短期間で終わるか。 (C) Getty Images

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 メキシコリーグのケレタロでプレーするロナウジーニョだが、プレシーズンキャンプがスタートして15日が過ぎた今も、依然として姿を現わしていない。
 
 ケレタロのホアキン・ベルトラン会長が痺れを切らして「もし来週もロナウジーニョが現われなかったら、我々も決断を下さなければならない。もうすでに、キャンプの大半を棒に振っているのだから……」と語っている。
 
 無断欠勤(と遅刻)は社会人が最もやってはいけないこと。これは、どの業界でも同じだ。ロナウジーニョの場合、メキシコの政治家が人種差別的発言をしたことが理由ではないかとの憶測も流れている。
 
 果たして、ロナウジーニョはどこに消えてしまったのだろうか……。
 
 さて、決して優等生ばかりではないプロサッカー界では、このように練習を“サボる”選手はいつの時代にも、有名無名ともに多く存在している。
 
 現ユベントスのカルロス・テベスはマンチェスター・シティ時代の2011年、ロベルト・マンチーニ監督の起用法への不満もあって勝手にアルゼンチンへ帰国し、退団寸前までいったものの、後に罰金処分を受け、さらに謝罪もしている。
 
 世界一クラブを自負するレアル・マドリーは常々、選手にも節度ある言動を求めているが、実際は問題児も少なくない。かつて所属したロビーニョ、ジュリオ・バチスタは、ブラジル代表の試合が終わってもマドリードに戻らず、クラブの理事会から厳しい追及を受けたものである。
 
 同じブラジル人では、元ブラジル代表のFWアドリアーノはフラメンゴ、インテル、ローマ、アトレチコ・パラナエンセなど、所属したほとんどのクラブでは無断欠席をはじめ数々の問題を起こし、インテル時代にはあまりに長いことブラジルから戻ってこないため、死亡説まで流れたほどだった。
 
 日本では、名古屋グランパスのレアンドロ・ドミンゲスが前所属の柏レイソルで練習をボイコットしたことにより契約を解除されたと報じられたこともあるが、柏側からは「練習不参加は(契約が切れた後で)その義務がなかったから」と説明がなされている。
 
 無断ではないが、一方な通達で練習も試合も休んだのは、かつてJリーグでもプレーしたエジムンド。“アニマル”とも呼ばれ、数々の問題行動を起こしてきた元ブラジル代表は、98-99シーズン、好調のフィオレンティーナで活躍していたが、2月にリオのカーニバルに参加するため、チームを留守にしてしまったのだ。
 
 その頃、フィオレンティーナは大黒柱のガブリエル・バティストゥータが肉離れで戦線離脱という緊急事態にあり、もうひとりの点取り屋であるエジムンドは絶対不可欠な状況だったが、故郷リオへの想い(?)はあまりにも強かった……。
 
 練習ではなく、試合を無断欠席してしまったのはアルベルト・リエラ。今シーズン、ウディネーゼに加入した元スペイン代表選手は、12節のキエーボ戦で試合会場に姿を見せなかったが、後にポーカー大会に参加していたことが判明。結局、公式戦に1試合も出場することなく、11月に契約解除となってしまった。
 
 今をときめくチェルシーのエデン・アザールは昨年11月、パスポートをなくして列車に乗れず、あえなく練習を無断欠席してジョゼ・モウリーニョ監督から叱責を受けた。アクシデントとはいえ、社会人ならその後のリカバリー(連絡するとか)が大事ということか?
 
 最後に、どれだけ練習を無断欠席しようが全く咎められることのなかったといわれる、おそらくサッカー史上唯一の選手を紹介しよう。
 
 それは、あのディエゴ・マラドーナ。ナポリ時代、この“王様”がその日の練習に現われるかどうかは、オッタビオ・ビアンキ、アルベルト・ビゴンといった監督すら把握していなかった。全ては本人の気分次第だったのだ。
 
 遠征でもチームと一緒に移動せず、試合前にようやく合流するということもあったというマラドーナ。それでも、試合では図抜けた技術と戦術眼でチームを完璧にコントロールして勝利に導いてしまうため、コッラード・フェッライーノ会長でさえも口を出すことができなかった(何も文句はなかったとも言えるが)。
 
 また、選手同士の結束も固く、とりわけ仲の良かったフェルナンド・デナポリなどは、監督からマラドーナの居場所を聞かれても、絶対に“口を割る”ことはなかったという。その頃、マラドーナが隠れ家でコカインに興じているのをデナポリが知っていたかどうかは定かではないが……。
 
 マラドーナ次第でチームの勝敗が決まるという特殊な事情・環境のなかで、ナポリは最後までマラドーナの行動には目を瞑り続けたが、今回のロナウジーニョの場合、かつて一世を風靡したとはいえ、やはりクラブから寛大な措置を受けることは難しそうだ。

ピッチ上での魔法のプレーが、悪行の全てを帳消しにしてしまった!? マラドーナのような選手は、あらゆる意味で二度と現われることはない。 (C) Getty Images

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