• トップ
  • ニュース一覧
  • 【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「メネーズは本田に手を貸すことが自分の得にもなることを早く理解すべきだ」

【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「メネーズは本田に手を貸すことが自分の得にもなることを早く理解すべきだ」

カテゴリ:メガクラブ

マルコ・パソット

2014年12月10日

本田=規律を守る非常に良い兵隊、メネーズ=孤高のスナイパー。

ピッチ上の良きライバルではあるが、決して不仲ということではないので、あしからず。 (C) Studio Buzzi

画像を見る

 本田圭佑とジェレミー・メネーズ。どちらも同じオフェンスを担いながら、これほどタイプが違う選手というのはミランでも珍しい。
 
 戦術的なビジョンもそうだが、何よりサッカーに対する態度がまるで異なる。プレースタイル、試合に向けてのアプローチ、サポーターへの自分の見せ方……。これも、根源にあるサッカーへの考え方やコンセプトが、このふたりの場合、両極にあるからだろう。
 
 こうしたタイプの異なる選手をどのように共存させ、それぞれの良いところをいかに引き出せるか、ここに優秀な監督かそうでないかの違いが出てくる。
 
 本田は常にチームのことを念頭に置いてプレーする選手だ。監督の指示にも、可能な限り従おうとする。チームがなければ自分が何者にもなれないことを彼は知っているし、チームも本田がいなければ苦労をすることが分かっている。
 
 一方、メネーズは一匹狼。チームと一緒に行動はするが、集団の構成分子では収まらない。タイプから言ったら、水泳やテニスといった個人競技の方が彼には合っていたかもしれない。
 
 しかしメネーズは、ボールを操るのが非常に巧みだった。だから、サッカーをするために集団の中のソリストの道を選んだ。それゆえ、個人プレーの傾向が強い。自分が得点することに非常にこだわる。自分がミランを照らす灯台となることで、フランス代表復帰も狙っている。
 
 とにかくメネーズの頭のなかは、いつでも「俺が、俺が、俺が」なのだ。もっとも、適度のエゴは、ハイレベルのサッカー選手には欠かせないものだと思う。そうでなければ、どんなに良いテクニックを持っていても、無名のまま終わってしまう危険性がある。
 
 しかし、このエゴが肥大しすぎるのも問題だ。あまりにも自己中だと、他の選手の反感を買ってしまうし、サポーターとも対立してしまう危険性もある。
 
 選手という仕事にミスは付き物だ。ミスをしない選手などいはしない。しかし“良い子”はミスをしても許されるが、普段から自信過剰な発言や行動ばかりしていると、ミスした途端に腐ったトマトを投げつけられるのがオチだ。
 
 それにしても、理想的な選手というは、本田とメネーズのちょうど中間あたりの選手を指すのではないだろうか。ミランラボあたりでふたりを合体させたら、きっと完璧な選手が来上がるに違いない。メネーズの、ともすると行き過ぎなエゴを本田が和らげ、本田にはあまり見られない“悪辣さ”をメネーズがもたらしてくれる。いい案ではないだろうか?
 
 冗談はさておき、“チーム”というものに対する本田の考え方は素晴らしい。本田にはチームワークのセンスがある。チームメイトのためにプレーをするのだ。
 
 なぜなら、自分がチームを動かす大事な歯車になることで、より大きな成果が得られることを知っている。歯車は全体としての結果を出すために動くもので、自分のためだけには動かない。
 
 軍隊で例えて言うなら、本田は(特に指揮官にとって)非常に良い兵隊だ。決められた集団の規律のなかで最高のパフォーマンスをする。一方、メネーズは敵の息の根を止めるスナイパーだ。ひとりはチームのプレーを担い、ひとりはただ本能のままプレーする――。
【関連記事】
【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「昨シーズンの本田こそ“出来の悪いコピー”だった」
本田&メネーズの連係の向上がミランに進化と勝利をもたらす
【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「だからミラノ・ダービーの先発落ちは“ビッグニュース”だった」
ミランのレジェンドはどう評価? 往年の名DFバレージが語る本田圭佑
ボバンが本田を斬る! 「それでも黄金期のミランではベンチ入りも難しい」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ