【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|札幌U-18編

カテゴリ:高校・ユース・その他

斉藤宏則

2014年09月29日

序盤戦の低迷から、インターバルをうまく活用して上昇気流に。

コンサドーレ札幌U-18
チーム拠点:宮の沢白い恋人サッカー場(札幌市西区宮の沢2条3)
クラブ創立:1935年(前身:東芝堀川町サッカー部)
主なOB::石井謙伍、古田寛幸、荒野拓馬、奈良竜樹、深井一希など(いずれも札幌)(C) CONSADOLE SAPPORO

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 過去3年間で13選手をトップチームに輩出、2011年の第1回大会ではチャンピオンシップに出場し、2012年にはJユースカップを制覇するなど近年の成績は目覚ましい。札幌U-18は、今や全国トップレベルのチームに成長したと言っていいだろう。
 
 とはいえ、今大会は苦しいスタートとなった。開幕戦の清水ユース戦(1-3)、続く柏U-18戦(0-4)と連敗を喫し、3節のJFAアカデミー福島戦で初勝利(1-0)を挙げたものの、東京Vユース戦(0-4)、青森山田戦(1-5)と再び連敗。5試合を終えた時点で自動降格圏内に低迷していた。
 
 しかし、選手たちは決して下を向くことはなかった。5節後の約1か月半のインターバルによって、問題点に取り組む余裕も生まれた。
「あの中断期間が大きかった。課題を修正し、自分たちの立ち位置も見つめ直すことができた。選手みんながしっかり取り組んでくれた」
 四方田修平監督は、そう振り返る。
 
 課題は言うまでもなく守備だった。スコアを見れば分かる通り、敗戦はすべて大量失点。そしてその中身は「自陣でのパスミスを奪われたり、いわゆる自滅が多かった」とディフェンスリーダーの進藤亮佑は言う。ビルドアップの精度上げながらリスクマネジメントの意識も高めていくことで、攻守両面の安定感がグッと向上したのである。
 
 ただし、四方田監督はこう付け加える。
「自滅しないようにセーフティーにプレーするのではなく、自分たちの力を認識したうえで、リスクも負いながら判断の質を上げていった」
 
 そして、再開初戦となった6節、敵地での鹿島ユース戦からチームは息を吹き返す。この試合は、2-2で引き分けて勝点1を得るに止まったが、「やることをしっかりやれば、勝点はついてくることを選手たちが認識し、自信を掴んだ。あの試合がポイントだった」と四方田監督も手応えを得た一戦となった。
 
 連勝こそないものの、この鹿島戦から札幌は6戦無敗と波に乗る。そのなかには2位清水とのドロー(1-1)や首位に立つ柏からの勝利(1-0)も含まれており、進藤は「前回対戦で力の差を見せつけられた相手と五分五分に近い戦いができ、それもまた自信につながった」と胸を張る。
 
 序盤戦は相手に先制点を奪われると、そこから気落ちして組織が崩れてしまう時間帯も見受けられた。しかし中盤戦以降は、その課題も解消されつつあり、直近の15節・鹿島戦では先制されながらも積極的に相手ゴールへと迫り、後半アディショナルタイムに同点に追いつく粘り強さも見せている。

守備の修正に成功し、6節以降順位を上げてきた札幌U-18。写真は攻撃的MFの本塚。(C) CONSADOLE SAPPORO

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 前半戦最後の試合となった市立船橋戦(1-0)を終えて、四方田監督は選手たちに後半戦での具体的な目標を数値設定させたという。そして導き出された数字は「9試合で勝点16。最終順位は3位」というもの。残り3試合の現時点で目標達成に必要な勝点はあと7だ。
 
「順位は自力ではどうにもならない部分もあるが、勝点は絶対に達成したい。最低でも2勝が必要なので、なんとしても勝ちきりたい」(進藤)と選手たちは気持ちを高めている。
 
 また、ここから先は新たな選手の台頭も楽しみなところ。9月にタイで行なわれたU-16アジア選手権に出場した1年生FWの菅大輝が夏場以降、出場機会を増やしており、今後の活躍が楽しみだ。「ポジションはどこでもいいから、チャンスがあれば試合に出たい」と本人の意気込みも強い。
 
 ラスト3戦、育成型クラブの代表格ともいえる札幌の戦いぶりには、注目したいところだ。
 
取材・文:斉藤宏則(スポーツライター)
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