ユベントスにおけるクリスチアーノ・ロナウドの存在感は増すばかりだ。

　現地時間10月27日に行なわれたセリエA第10節、ユーベはエンポリに２-１と逆転勝利した。PKを含むドッピエッタ（２得点）でチームを勝利に導いたC・ロナウドは、リーグ戦で３試合連続ゴール中だ。さらにセリエAの10試合で７得点・５アシストとチーム総得点（21）の半数以上に絡んでいる。ただ、元ユーベの名手は、その効果は数字以外にもあると指摘している。

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、元イタリア代表MFのピルロは、「C・ロナウドの獲得で加わった価値は、ゴールだけじゃない。ピッチで彼が示す模範や、練習での見事な犠牲精神にある」と述べた。

「パウロ・ディバラのような選手たちは、彼を見ることで刺激とすることができるはずだ。これこそ、C・ロナウドがユベントスにもたらしたプレゼントだよ」

　新エースの活躍もあり、ユーベは２位タイのナポリとインテルに勝点６差をつけて首位を快走している。ピルロは「ナポリが対抗馬」としつつ、ユーベの８連覇は濃厚との見解を示した。

「だが、すでに勝点６差がついている。それに、全体的な戦力でナポリはユベントスに劣るんだ。結局のところ、ユーベはイタリア国内で別の惑星にいる。以前もそうだし、今もそれは変わらない」

　国内で圧倒的な強さを誇るユーベが、C・ロナウドを獲得したのは、悲願の欧州制覇のためでもある。現在は中国代表を率いている元ユーベの指揮官マルチェッロ・リッピも、「さらなるスクデット、そしてチャンピオンズ・リーグ（CL）制覇の準備はできた」と、古巣に期待を寄せた。

　同じくユーベのOBであるフランス代表監督のディディエ・デシャンも、同じ意見のようだ。デシャン監督は「ユーベにはCLで優勝するためのすべてがある」と太鼓判を押した。

「ユーベは欧州のトップ５、６に入るクラブだ。ただ、CLで優勝するためには、一切間違うことができない。100％の状態で決定的なタイミングとなる春を迎える必要がある」

　ピルロがいうC・ロナウドの“プレゼント”で、ユーベは1996年以来となる欧州制覇を遂げられるだろうか。今後の戦いぶりから、ますます目が離せない。