10月の代表ウィークが終了し、J１リーグが再開される。今シーズンも残り５試合となるなか、現在川崎が２位の広島に勝点１差をつけ首位。３位・鹿島から９位・清水までの勝点差はわずか６で、ACL圏争いは最後まで分からない混戦模様となっている。
 
　28節終了時でついにリーグ首位に躍り出た川崎だが、やはりクローズアップされるのは、その圧倒的な攻撃力だろう。とりわけ、多彩なパスワークは他を寄せつけないレベルにあり、それは数字にも顕著に表われる。
 
　Optaが示す29節までのリーグ戦上位５チーム（川崎、広島、鹿島、FC東京、札幌）のデータ（パスの合計本数、成功本数、成功率、１試合平均の本数）を比較すれば、その違いは一目瞭然だ。
 
　下記の通り川崎は全データで圧倒的に数値が高かった。Jリーグのパス関連データでは全スタッツで１位となっており、パス合計本数は優勝争いをする２位の広島に約6500本の大差をつけ、パス成功率は90パーセントに迫る。こうしたスタイルを貫く川崎がこのままリーグ２連覇を達成すれば、洗練された攻撃サッカーとしてそのスタイルはさらに評価を高めそうだ。
 

　上位５チームの中で２番目に数値が高かったのはリーグ戦５位につける札幌で、今季から指揮を執るミハイロ・ペトロビッチ監督が志向する攻撃的なパスサッカーの成果がデータに表われている。
 
　一方で全体的に低い値となっているのはFC東京だ。チームとしては速攻を主体としており、パスの数は戦術の違いによる差が大きい。しかしパス成功率の低さは、向き合わなければならない課題だろう。
 
　ちなみに、パス関連のスタッツで川崎に次ぐ数値を叩きだしているのは今季ポステコグルー監督のもとでポゼッション主体のサッカーに取り組む横浜だ。
 
　パス合計数、パス成功数ともに川崎に約3000本ほど及ばないが、同成功率ではほぼ同率の86.3％と高い値を記録。チームカラーが如実に表われている。
 
　J１リーグ上位５チーム＋横浜のパスデータは以下の通り。
 
１位　川崎フロンターレ
パス合計本数：１万9294本
パス成功本数：１万6779本
パス成功率：87％
１試合平均のパス本数：665.3本
 
２位　サンフレッチェ広島
パス合計本数：１万2741本
パス成功本数：9967本
パス成功率：78.2％
１試合平均のパス本数：439.3本
 
３位　鹿島アントラーズ
パス合計本数：１万2085本
パス成功本数：9601本
パス成功率：79.5％
１試合平均のパス本数：416.7本
 
４位　FC東京
パス合計本数：１万1571本
パス成功本数：8806本
パス成功率：76.1％
１試合平均のパス本数：399本
 
５位　コンサドーレ札幌
パス合計本数：１万3126本
パス成功本数：１万766本
パス成功率：82％
１試合平均のパス本数：468.8本
 
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10位　横浜F・マリノス
パス合計本数：１万6085本
パス成功本数：１万3873本
パス成功率：86.3％
１試合平均のパス本数：554.7本